「胸腹腔ドレーン固定具」の新製品開発報告会開催のお知らせ 3Dプリンターで開発期間が短縮
2017年7月14日
静岡県立静岡がんセンター
公益財団法人 静岡県産業振興財団 ファルマバレーセンター
静岡がんセンターとファルマバレーセンターおよび株式会社ハヤブサ(本社:富士宮市)は、胸腹腔内の液体を体外へ排出するためのドレナージ(排液)カテーテル(柔らかい管)を固定する「胸腹腔ドレーン固定具」を共同開発いたしました。上市に先立ち、近隣の医療機関や院内の医療者を対象に、本製品の臨床研究結果や使い方等についての報告会を下記日程で開催いたします。なお、本製品は、ファルマバレーセンター(静岡県医療健康産業研究開発センター)が2016年9月1日の全部開所後に初めて上市する商品となります。
開催概要
1 日 時 | 2017年7月21日(金) 18時~19時 |
2 場 所 | 静岡県立静岡がんセンター研究所 しおさいホール |
3 開催形態 | 共催:静岡がんセンター、ファルマバレーセンター 協力:株式会社ハヤブサ |
4 対 象 | 静岡県東部地域を中心とした医療機関の医療従事者および静岡がんセンター医療従事者 |
< プログラム>
1 | 製品開発報告会開催にあたって | 消化器内科 医長 濱内 諭 |
2 | 新規固定具の臨床研究結果について | 9西病棟 看護部主任 北島 賢三 |
3 | 新規固定具の処置手順について | 支持療法センター 看護部看護主査 松田 明美 |
4 | 新規固定具入手方法について | 9東病棟 看護部主任 佐藤 歌織 |
開発の背景と製品化までの経緯
胸腹腔内に溜まった液体を排出するために、ドレーンカテーテルを体表から挿入し、紙コップを用いて抜けないように固定していましたが、固定が不安定なことと、刺入部の観察が不十分であることから、カテーテルが脱落するアクシデントが発生することもあり、院内で統一した固定具と処置の手順を整える必要性がありました。昨年の3月に濱内医師はファルマバレーセンターのアイデアボックスを利用して具体的なアイデアを提案、ファルマバレーセンターは『ふじのくにの宝物』に掲載されている企業から、製品開発が可能と見込まれるハヤブサに製品づくりを依頼、静岡がんセンターの医師や看護師の意見を踏まえ。この7月に製品が完成いたしました。
開発者からのコメント
①消化器内科 医長 濱内 諭(医師)
従来のガーゼと紙コップでは十分なカテーテル固定が出来ていないと看護師も同じ思いで処置をしていることを知り、安全な固定具の開発は当院だけでなく、国内全ての臨床現場においても必要とされていると感じました。多職種間での綿密な打ち合わせと試行錯誤の結果、安全で使いやすい固定具が誕生しました。臨床現場がより安全な環境に整えられるようにアイデアを出して貢献していきたいと思います。
②支持療法センター 看護部看護主査 松田 明美(看護師)
当院では、一時的な胸・腹水排液時に、ガーゼと紙コップを使用して固定していました。この方法では固定に手間がかかる上に刺入部が隠れるので観察しにくく、また、処置中にカテーテルが抜けてしまったことがあり、安全性に問題がありました。今回、私たち医療現場の意見を取り入れて簡便な固定具が出来上がり、排液管理の安定性が向上しました。一度使用すると紙コップには戻れないと思うほどまで、満足のいく製品に仕上がったと自負しております。紙コップに比べ、排液中の皮膚への違和感がなく、終了時にテープを剥がす不快感が少ないと患者さんからも喜ばれています。
新製品の胸腹腔ドレーン固定具
製品名:カテーテル固定用パッチ(一般名)
商品名:ドレーンサポート(商標出願済み)
共同開発品を用いた固定法
従来の紙コップを用いた固定法
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静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当 TEL 055(989)5222
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