臨床研究に関する重大な不適合に関するご報告

2023年5月17日 病院長

 静岡県立静岡がんセンターにおいて行われている臨床研究に関し、「臨床研究法」への重大な不適合が2件、判明しました。

 本2件については、研究対象者の方々へ健康被害がなかったことを確認し、静岡県立静岡がんセンター臨床研究倫理審査委員会(認定臨床研究審査委員会)で再発防止対策等について審議された後、病院長から研究代表医師に対し、再発防止対策の徹底を指示・指導いたしました。下記に本事案の概要を報告いたします。

 

<重大な不適合事案の概要>

1

研究課題名 リンパ管細静脈吻合術の術前検査におけるガドブトロールMRリンパ管造影の安全性と有効性に関する第Ⅱ相試験
不適合の内容 研究計画書に規定されている登録手続き未了の状態で試験検査(MRリンパ管造影)を実施(文書同意あり)。
再発防止対策の概要
  • 医師は、登録番号のカルテ記載を徹底する。
  • 医師は、同意書を患者さんから受取り次第、登録作業を行う臨床研究コーディネーター(CRC)に登録票と同意書を速やかに提出する。
  • 医師は、試験検査時に登録済みであることをカルテで確認する。
  • 医師及びCRCは、試験検査当日の試験登録を避け、研究者間で患者さん情報を共有する。

2

研究課題名 高齢者に対する肝胆膵領域手術後せん妄に対するプロトンポンプ阻害薬の有用性を検討する第II相試験
不適合の内容 研究計画書に規定されている登録手続き未了の状態での試験薬投与を実施(文書同意あり)。
再発防止対策の概要
  • 医師は、カルテの記載場所を統一し、登録番号のカルテ記載を徹底する。
  • 医師は、手術当日の手術室入室前までに登録番号をカルテで確認する。
  • 医師は、確認できない場合、担当医へ確認する。

 なお、上記事案2件について、認定臨床研究審査委員会にて審議され、当該研究を継続することが許可されています。

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