ロボット支援手術が年間1,000件を超えました

2025年5月29日

 患者さんへの負担(侵襲)が少ない手術として、腹腔鏡手術や胸腔鏡手術が普及していますが、より患者さんに優しくかつ高度な手術が可能となる方法としてロボット支援手術があります。当院では2011年12月に導入して以来、年々手術件数が増加し、2024年度は1,024件に達しました。

 当院では当初大腸外科から導入を開始し、次いで胃外科、泌尿器科、呼吸器外科で開始、2019年からは婦人科、2021年からは食道外科、2022年からは肝胆膵外科、頭頸部外科でも導入を開始しました。対象となる手術も現在では15臓器、41術式に上がっております。特に大腸外科におきましては、ほとんどの手術がロボット支援で行われています。術式毎に、施設や、術者・助手の基準が学会の指針として定められておりますが、当院ではこれらの基準を厳守して安全に運用することを一義的に考えて導入を進めております。手術件数の増加に伴い手術支援ロボット台数も増加し、当初はダビンチダヴィンチ1台体制でしたが、現在ではダヴィンチダビンチXi 4台に加え、国産ロボットであるヒノトリも1台導入し計5台体制で運用しております。さらに、ヒノトリを用いた手術の自動化や遠隔手術に関する臨床研究にも取り組んでいます。

 ロボット支援手術の最大のメリットは、高精細画像による拡大視効果と、繊細で確実な鉗子操作が可能となる事であります。これらのメリットを活用する事により腹腔鏡手術よりも術後合併症を低減できるばかりでなく、これまで難易度が高いと思われた手術も比較的容易に行う事が出来るようになりました。今後はロボット支援手術の利点を最大限に活用し、さらなる手術成績の向上と情報発信に取り組んでいきたいと考えております。

副院長 寺島雅典


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ロボット支援手術(da Vinci/hinotori)

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