眼科について

スタッフ紹介

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眼科
部長 柏木 広哉

眼科の特徴・考え方

通常、眼科は眼にかかわる疾患の診療を全般的に担当しますが、静岡がんセンターの眼科では主に「眼の腫瘍」の診療と、がんセンターでさまざまながんの治療を受けているがん患者を対象にした眼科一般診療を行っています。眼の腫瘍は多くないものの、生命に影響を及ぼすものもあり、専門的な治療が必要です。また、抗がん剤の副作用で、眼に異常が出るケースが増えています。眼科では、副作用が悪化してがんの本治療自体を予定通り行えないことがないように、サポートしていきます。

静岡がんセンター眼科の特徴と治療方針

希少な眼の腫瘍診療施設、他院と連携して適切な治療方針を導き出す

眼は外界の情報の80%以上を担う大切な器官と同時に、容姿の要でもあるため、眼の腫瘍の治療方針は手術後の状態についても十分に考慮して慎重に決定する必要があります。静岡がんセンターは眼の腫瘍の診療ができる日本では数少ない施設で、腫瘍の治療経験が豊富な眼科専門医が常勤しています開院から約1000例の症例を診てきました。さらに、がん研究会有明病院眼科、国立がん研究センター中央病院眼科、聖隷浜松病院眼形成眼窩外科などと連携し、定期的に合同カンファレンス(治療方針検討会)を行っています。また国際眼腫瘍学会等で発表し多くの知見を集めることで、より良い診療を目指しています。近年悪性黒色腫や脂腺癌のゲノム解析を行っております。

抗がん剤による眼の副作用に素早く対処

抗がん剤の副作用は吐き気や脱毛だけでなく、眼に異常が現れる場合もあります。睫毛(まつげ)の異常や結膜炎、眼瞼炎、網膜障害、視神経障害、涙道通過障害、角膜障害など多岐にわたっていますが、残念ながらこれらの障害の認知度は低く、一般の病院では見過ごされてしまうことも少なくありません。
全国のがんセンターで眼科の常勤医がいる施設はわずか3施設。静岡がんセンターはそのひとつで、抗がん剤の眼部副作用(眼障害)の診療についても力を入れています。日本癌治療学会、日本眼科学会等で教育講演を行っています。また抗がん剤目の副作用の冊子(全36ページ)作製し、認知度の向上に努めております。

抗がん剤や放射線治療による涙道障害(狭窄、閉塞)の治療

涙道障害は流涙(なみだ目)を生じ、日常生活のレベルを下げます。
抗がん剤による眼の副作用の中で涙道通過障害」が急増しています。また頭頸部がんに対する放射線治療による涙道障害もあります。
当科では2010年に涙道内視鏡を導入し、涙管チューブ挿入治療などを行い、改善を図っています。

眼科からひとこと

外界から多くの情報を得る窓口とも言える「眼」に何らかの障害が出ると、不快なだけでなく不安なものです。がんの患者さんであればなおのこと。がんセンター内に眼科専門医がいて、すぐに対応できるという環境は、大きな安心感につながるのではないでしょうか。眼の腫瘍も、抗がん剤の副作用による眼障害も、早ければ早いほど治療しやすく、いい結果につながります。何かおかしいと感じたら、早めに眼科を受診してください。

専門分野・所属学会・資格

柏木 広哉(部長)
kashiwagi, Hiroya

専門分野

眼科一般
眼腫瘍
眼病理
神経眼科
涙道
アイバンク
抗がん剤眼副作用(眼障害)

所属学会・資格等

日本眼科学会(専門医)
日本神経眼科学会(評議員)(編集委員)
静岡県アイバンク(評議員)
日本眼腫瘍学会
日本涙道・涙液学会
日本眼形成再建外科学会
日本眼薬理学会
日本角膜学会
日本眼科医会倫理委員会委員
International Society of Ocular Oncology (国際眼腫瘍学会)
医学博士

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