久保秀正医師、第27回日本外科病理学会学術集会で「優秀演題賞」を受賞しました

2023年11月13日
肝・胆・膵外科部長 杉浦禎一

10月13日~14日、アスト津(三重県)で開催された、第27回日本外科病理学会学術集会において、肝・胆・膵外科の久保秀正医師が優秀演題賞を受賞しました。

・受賞者:久保秀正(肝・胆・膵外科レジデント)
・演題名:「膵癌に対する腹腔洗浄細胞診における免疫細胞化学染色の有用性」

掲載誌
Clinical significance of immunocytochemical staining for peritoneal lavage cytology in pancreatic cancer
.(Surgery. 2022 Dec;172(6):1776-1781. doi: 10.1016/j.surg.2022.09.025. Epub 2022 Nov 10.)
Hidemasa Kubo, Katsuhisa Ohgi, Nobuyuki Ohike, Kiyoshi Tone, Tomoko Norose, Teiichi Sugiura, Ryo Ashida, Mihoko Yamada, Shimpei Otsuka, Katsuhiko Uesaka

<研究概要>
 膵癌に対する腹腔洗浄細胞診は治療方針を決める上で重要です。当院では、Papanicolaou染色による術中迅速診断と、免疫細胞化学染色による最終診断を全例に行っていますが、免疫細胞化学染色による最終診断の有用性は明らかではありません。今回我々は、開院(2002年)から2018年までに膵癌に対して膵切除と腹腔洗浄細胞診を行った675症例を対象に、後ろ向きに解析を行いました。その結果、Papanicolaou染色による術中迅速診断のみでは偽陰性を生じる可能性があり、偽陰性症例は真の陰性症例よりも予後不良であることが明らかとなりました。そのため、膵癌に対する腹腔洗浄細胞診は、追加の免疫細胞化学染色を行うことが望ましいと考えられました。

受賞者から

 今回の結果は当院が開院以来、地道に取り組んできた診断方法が意義あるものである可能性を示しています。近年、術前治療の重要性が増している膵癌診療において、治療方針を決める上で重要な因子の一つである腹腔洗浄細胞診の診断方法の在り方に重要な示唆を与えうるものと考えられます。

肝・胆・膵外科 レジデント
久保 秀正

肝・胆・膵外科

肝・胆・膵外科