【掲載論文】知覚・疼痛定量解析装置PainVision PS-2100を用いて肺切除術後急性疼痛を定量化できる可能性を示唆

2026年5月1日
呼吸器外科部長 大出泰久
チーフレジデント 増田達也

 肺切除術後の急性疼痛は、術後回復に影響を与える重要な要素であり、適切な評価と管理が求められます。従来、その評価にはNumerical Rating Scale(NRS)(痛みの強さを0〔無痛〕から10〔想像しうる最も強い痛み〕で評価する方法)などの定性的評価が用いられてきましたが、定量性に課題がありました。このような背景から、痛みを定量的に評価する装置として知覚・疼痛定量解析装置PainVision PS-2100が開発されました。この装置は、痛みを感じない電気刺激を用いて、感じている痛みと同程度の刺激の強さを測定し、痛みを数値化する装置です。しかし、PainVisionは痛みの測定装置として保険適用がなく、術後急性疼痛における有用性は明らかではありません。
本研究では、PainVisionを用いて、肺切除術後急性疼痛の定量的評価の可能性を検討しました。肺切除術を受けた50例を対象に、術後1、2、5、7日目において、安静時および体動時の疼痛を、従来の痛みの評価法(NRS)と、PainVisionによって算出される「痛みの強さを数値化した指標(痛み度)」で評価し、両者の関連や術後経過について比較しました。
 その結果、両者の間には一定の関連性が認められ、術後経過に伴う痛みの変化も類似していました。以上より、PainVisionは肺切除術後急性疼痛の定量的評価に有用である可能性が示唆されました。

掲載論文

雑誌名 Journal of Anesthesia
タイトル Evaluation of postoperative pain by PainVision® PS‑2100, a quantitative analyzer for perception and pain in pulmonary resection: a prospective pilot study
知覚・疼痛定量分析装置PainVision PS-2100を用いた肺切除術後疼痛評価の前向き研究
(略称表記)EQUIP study
筆頭著者 増田達也 Tatsuya Masuda(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科)
責任著者 児嶋秀晃 Hideaki Kojima(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科)
共同著者と所属施設 Tatsuya Masuda 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Hideaki Kojima 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Tetsuya Mizuno 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
名古屋大学医学部附属病院 呼吸器外科
Akifumi Notsu 静岡県立静岡がんセンター 臨床研究支援センター
Keigo Matsushima 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Kensuke Takei 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
浜松医科大学医学部附属病院 呼吸器外科
Shuyu Hori 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
杏林大学医学部付属病院 呼吸器・甲状腺外科
Shoichiro Morizono 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
鹿児島大学病院 呼吸器外科
Koki Maeda 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
鹿児島大学病院 呼吸器外科
Toshiyuki Nagata 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
鹿児島大学病院 呼吸器外科
Shinya Katsumata 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Hayato Konno 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Naoya Yokomakura 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Mitsuhiro Isaka 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
Kazushige Wakuda 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Toshiaki Takahashi 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Yasuhisa Ohde 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科
掲載日 2026/4/1
URL

https://link.springer.com/article/10.1007/s00540-026-03727-7

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41920312/

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