がん遺伝子パネル検査「ふじのくにHOPEオンコパネル®」11月1日より保険適用

2026年11月2日
静岡県立静岡がんセンター
公益財団法人ふじのくに医療城下町推進機構ファルマバレーセンター

 

ファルマバレープロジェクトの研究成果を製品化
がん遺伝子パネル検査「ふじのくにHOPEオンコパネル®」
11月1日より保険適用

 静岡県立静岡がんセンター(以下、静岡がんセンター)※1とファルマバレーセンター※2は、がんゲノム解析研究“プロジェクトHOPEホープ(High-tech Omics-based Patient Evaluation)”の成果を活用し、「ふじのくにHOPEオンコパネル®」※3を開発しました。このたび、本製品が2026年11月1日付で保険適用となりましたことをお知らせします。本製品は日本人がん患者5,143症例の研究データに基づいて開発されたがん遺伝子パネルであり、解析対象遺伝子は410種類※4であることに加え、22種類の薬物代謝酵素関連遺伝子を搭載しています。また、検査結果報告書を日本語で提供するなど、医療現場で活用しやすい設計となっています。

 静岡がんセンターでは、2014年以降、静岡県が推進するファルマバレープロジェクト(富士山麓先端健康産業集積プロジェクト)※5の一環として“プロジェクトHOPE”研究に取り組んできました。これまでに、静岡がんセンターで手術を受けたがん患者1万4千例あまりのがんゲノム解析が終了しています。その活動は、日本人を対象としたがんゲノムデータベース(日本版ゲノムアトラス:JCGA)※6として活用され、AMED※7からの補助金などを受けてさらに研究が進められてきました。2018年には、共同研究先の株式会社エスアールエル※8との間で、「エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社」※9を設立するなど、プロジェクトHOPE研究は発展し続けています。

 本製品は、静岡がんセンター、株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社※10、およびエスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社の4者によって共同開発されました。2026年3月に製造販売承認※11を受け、4月に富士レビオ株式会社が保険適用を申請し、11月1日に保険適用(保険収載)となりました。すでに国内では、複数のがんゲノムプロファイリング検査が使用されていますが、患者さんが生まれつき持つ、薬の分解や代謝に関係する22種類の薬物代謝酵素関連遺伝子の変化を一度の検査で得ることができます。がんの性質と患者さん自身の体質、その両方を理解することで、一人ひとりのがんの特徴に適したがん医療の実現に貢献できると期待しています。さらに、様々な職種の医療スタッフによる円滑な情報共有や、患者・家族への説明にも活用しやすいよう工夫されている点も大きな特長となっています。

 ファルマバレープロジェクトでは、これまで大企業や地域企業を支援し、200種類あまりの医療関連製品が製品化されました。「ふじのくにHOPEオンコパネル®」は、ファルマバレープロジェクトにおいて、静岡がんセンター、ファルマバレーセンターが主導して開発した製品の中で、初めて公的医療保険の適用対象となった製品です。研究成果が実際の医療で利用される製品へと結び付いた事例として、地域の産学官金連携の成果を示すものです。今後もファルマバレーセンターの支援のもと、プロジェクトHOPEで得られた成果をもとに、新たな創薬や診断機器の開発につなげていく所存です。

 

【ファルマバレープロジェクトを主導する山口建名誉総長からのコメント】

 「ふじのくにHOPEオンコパネル®」は、静岡がんセンター、ファルマバレーセンターを中核施設として2002年度に開始されたファルマバレープロジェクトの成果の一つです。静岡がんセンターの研究成果をもとに、製造販売承認を受け、保険適用になった初めての製品といえます。がんの遺伝子変化には人種差があることが知られていますが、今回の製品は、静岡がんセンターに蓄積された日本人がん患者5,000症例あまりのデータをもとに開発されたがんゲノムプロファイリング検査用医療機器です。また、医療スタッフが検査結果を患者・家族にわかりやすく説明できるよう、日本語による報告書を準備しています。これらの点で、本製品は、「日本人の、日本人による、日本人のためのがんゲノムプロファイリング検査用医療機器」といえるでしょう。

 

【保険適用に関する情報】

一般的名称   :遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)
販売名     :「ふじのくにHOPEオンコパネル®」
製造販売承認番号:30800BZX00090000
製造販売業者  :富士レビオ株式会社
製品サイト   :https://srl-scc.co.jp/fujinokuni-hope-oncopanel/

D006-19 がんゲノムプロファイリング検査(固形腫瘍を対象とする場合)44,000点
B011-5  がんゲノムプロファイリング評価提供料 12,000点
保険適用開始日 :2026年11月1日

 

※1 静岡県立静岡がんセンター(所在地:静岡県駿東郡長泉町、総長:上坂克彦)https://www.scchr.jp/index.html

※2 ファルマバレーセンター:公益財団法人ふじのくに医療城下町推進機構(所在地:静岡県駿東郡長泉町、理事長:大須賀淑郎)に設置された組織。https://www.fuji-pvc.jp/center/

※3「ふじのくにHOPEオンコパネル®」 製品サイト:https://srl-scc.co.jp/fujinokuni-hope-oncopanel/
 検査可能なバリアント(変異)およびバイオマーカーの種類
  ・塩基置換(Single Nucleotide Variant; SNV)
  ・挿入(Insertion)
  ・欠失(Deletion)
  ・コピー数変化(Copy Number Variation; CNV)
  ・融合遺伝子等の構造異常(Structural Variant; SV) 等

※4 「ふじのくにHOPEオンコパネル®」の解析対象遺伝子(410種類)の内訳
  ・塩基置換、挿入、欠失、コピー数変化を検出する遺伝子:381種類
  ・融合遺伝子等の構造異常を検出する遺伝子および領域:72種類(うち43種類は上記381種類と重複)
  ・薬物代謝酵素関連遺伝子の遺伝子多型を検出する遺伝子:22種類(上記381種類に含まれる)

※5 ファルマバレープロジェクト(富士山麓先端健康産業集積プロジェクト):静岡県が2002年度から推進する健康・医療関連産業の集積プロジェクト。県東部地域を中心に、産学官金の連携による研究開発や事業化、人材育成を進めることで、先端医療の実現と地域産業の活性化を目指す。静岡がんセンターをはじめとする研究・医療機関と企業の連携を支援し、医療機器や医薬品、健康関連製品の開発を促進している。

※6 日本版ゲノムアトラス:JCGA  https://www.jcga-scc.jp/ja

※7 AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構):革新的がん医療実用化研究事業 A-2領域、研究開発課題名:10,000症例マルチオミクス解析の経験にもとづく、全ゲノム解析の患者還元に関する研究https://www.amed.go.jp/koubo/14/01/1401C_00026.html

※8 株式会社エスアールエル(本社:東京都港区、代表取締役社長:松本誠)https://www.srl-group.co.jp/

※9 エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社(本社:静岡がんセンター研究所内、代表取締役社長:市田裕之、CAP-LAP認定・CLIA登録施設)https://srl-scc.co.jp/

※10 富士レビオ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:青柳克己)https://www.fujirebio.co.jp/

※11 製造販売承認取得時のプレスリリース:https://www.scchr.jp/press/20260331-2.html


●プレスリリース
 遺伝子パネル検査「ふじのくにHOPEオンコパネル®」11月1日より保険適用」(PDF:328KB)

本リリースに関するお問い合わせ

本リリースに関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
 静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
  電話:055(989)5222(代表)


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