「脳転移に対する術前定位放射線治療+摘出手術の有効性・安全性試験」についてASCO 2026で口演発表へ
2026年4月28日
脳神経外科部長 三矢幸一
臨床研究支援センター長 坂本 純
静岡がんセンター主導のNEO-TACTICS trialが
ASCO 2026で口演発表へ
大型脳転移に対する術前分割定位放射線治療+摘出手術の多施設共同第II相試験
静岡がんセンターが主導する多施設共同・単群第II相試験 「NEO-TACTICS trial」が、2026年5月30日(現地時間)に米国・シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2026)でのオーラル発表に採択されました。本試験は、大型脳転移(径2〜5 cm)に対する新たな局所治療戦略として、術前5分割定位放射線治療(SRT)後に摘出手術を行う集学的治療の有効性と安全性を前向きに検証した、多施設共同・単群第II相試験です。本研究成果の詳細については、ASCO 2026での発表後に改めてお知らせいたします。
脳転移の手術治療について
大型脳転移に対する従来の治療では、摘出手術単独、または術後に放射線治療を追加する方法が広く行われていますが、局所再発、髄膜播種、放射線壊死など、なお解決すべき課題があります。
これに対し、腫瘍を摘出する前に放射線治療を行う「術前定位放射線治療」は、これらの課題を軽減しうる新たな治療戦略として注目されています。
NEO-TACTICS trialについて
NEO-TACTICS trialでは、手術適応のある大型脳転移1個(径2〜5 cm)と、手術を要しない最大3個までの小さな脳転移(2 cm未満)を含む患者さんを対象として登録を行いました。対象患者さんに対し、術前5分割SRT(6〜7 Gy × 5回)を施行した後、外科的摘出を実施し、局所制御、脳内病勢制御、認知機能の維持、安全性などを評価しています。
本試験は、大型脳転移に対する術前5分割SRT+摘出手術という新しい集学的治療の臨床的意義を前向きに検証するものであり、脳転移治療の新たな展開につながることが期待されます。
ASCO 2026での発表について
本試験は、2026年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2026)において、オーラル発表として採択されました。本研究成果は、2026年5月30日(現地時間)に、米国・シカゴにて発表される予定です。
静岡がんセンターでは、今後も大型脳転移に対する、より安全で効果的な集学的治療の確立を目指し、臨床研究を推進してまいります。
研究代表者 三矢 幸一 医師からのコメント
大型脳転移に対する治療では、局所制御の向上に加えて、髄膜播種や放射線壊死をいかに抑えるかが重要な課題です。
NEO-TACTICS trialは、術前5分割定位放射線治療と外科的摘出を組み合わせた新しい治療戦略を前向きに検証した多施設共同第II相試験です。
ASCO 2026で本試験の成果を発表できることを大変光栄に思います。今後は、この治療戦略の臨床的意義をさらに明確にしていきたいと考えています。
ご協力いただきました患者さん・ご家族の皆様、放射線治療科の皆様、14施設の先生方・医療スタッフの皆様・CRCの皆様、当院のデータ管理室の皆様、臨床研究支援センターの皆様ほか、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
静岡県立静岡がんセンター
脳神経外科 部長 三矢 幸一
発表情報
- 学会名:2026 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting
- 開催地:McCormick Place, Chicago, Illinois, USA
- 発表日:2026年5月30日(現地時間)
- 演題名:
Neoadjuvant fractionated stereotactic radiotherapy followed by surgical resection for brain metastases: A multicenter, single arm phase II trial (NEO-TACTICS)
お問い合わせ
研究内容に関するお問い合わせ
静岡がんセンター 脳神経外科 三矢幸一
電話:055(989)5222(代表)
本件に関するお問い合わせ
静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
電話:055(989)5222(代表)


