理解していくために行動しましょう
病気のこと、治療のことなど理解できないことがあれば、必ず一つ一つ確認し、理解していくようにしましょう。これは、あなたが自分のからだの状況を把握し、自分が受ける治療を理解したうえで治療に主体的に関わっていくための行動でもあります。
また、きちんと理解することが不安を軽くし、気持ちを楽にするかもしれません。
理解できないままにしておくと、自分のからだに変化が起こったときにも、それが治療の副作用なのか、がんという病気からくるのか、全く異なる原因からくるのか自分でも判断しづらく、そのようなときにどう対処したらよいのかもわからず、あわててしまったりすることもあるでしょう。
また、疑問やわからないことをそのままにしておくと、少しずつ医師とのコミュニケーションのずれが積み重なり、誤解や不信感につながってしまうことになりかねません。納得いくまで担当医にわからない点を確認することが一番大切です。
症状・副作用・後遺症に関しては、以下の『悩みと助言』のグループが参考になります。
症状・副作用・後遺症
抗がん剤治療の副作用 放射線療法の副作用・後遺症 手術の後遺症 排泄・人工肛門・人工膀胱 リンパ浮腫 失声 胃切除 腸閉塞 ホルモンバランスの変化 その他の症状 治療後の生活行動
あなた自身ができること
あなた自身ができることをまず始めてみましょう。
1. 自分の中で整理してみましょう
まず、あなたが今不安に感じていること、疑問に思っていることを整理してみましょう。ノートに書き出してみてもよいと思います。最初は、長い文章で自由に書いてみて構いませんが、書き終わったら読み直し、最終的に箇条書きにしてみるとよいでしょう。たとえば、「○○の検査の結果が知りたい」、「○○という症状がどうして起こっているのか、知りたい。あるいは、どう対処したらよいか知りたい。」などです。ただ、先生ともっと話したいのに、忙しそうで話しかけられないとかではなく、具体的に整理することが大切です。
2. 予習・復習をしてみましょう
予習・復習というと、構えてしまい負担に感じるかもしれませんが、ちょっとした工夫が、医療者との対話の促進につながったり、確認したいことをきちんと確認できて安心感につながったり、漠然とした不安を解決できたりなどの効果が期待できます。
特に外来通院している場合、外来の診察時間は短いと感じ、担当医に確認しようと思ってもなかなか言い出せないという経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。短い外来時間を有効に使うためにも、予習・復習をしてみましょう。
予習は、次の外来で実施予定の検査、あるいは結果の出ている検査、今ある症状や困っていること、担当医や看護師に聞きたいことを書き出し、整理してみることです。これは、できるだけ1行以内の箇条書きにして、間に空欄を入れておきます。この空欄は診察時、診察後の確認(復習)のときに使います。
復習は、診察室での診療のなかで、大切なことを自分なりに書き出して、まとめてみることです。その場では、すぐ聞けなかった疑問などがあったら、次の外来時に確認できるように、予習のところに、箇条書きで加えておきましょう。
自分なりの治療日記(治療ノート)と言ってもよいかもしれません。
3. 疑問、不明なことをそのままにしておかない
疑問や不明なことをそのままにしておいてはいけません。そのままにしておくと、少しずつコミュニケーションのずれが積み重なり、不信感につながります。医師は説明したつもり、患者さんはわかったつもりでは、信頼関係を築くのは難しいと思います。
(更新日:2019年2月25日)