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ホルモンバランスの変化

ホルモン治療等による体重増加

悩み

ホルモン剤の使用(内服薬・注射)によって体重が増加し、悩んだ。

助言

【食事と運動】


ホルモン治療薬によって、体重増加が起こることがあります。
すべての患者さんに起こるわけではなく、体重増加がわずかで気にならないという方もおられます。
医師は、副作用よりも、薬の効果のほうが大きいと考えて、続けて薬を処方していると考えられますが、体重維持の具体的な対策について、患者さんにお伝えしていないかもしれません。
体重を維持するには、食事と運動が要になります。
食事は、エネルギーの摂りすぎに気をつける必要がありますが、同時に、バランスがとれていることが大切です。
食事のバランスを見直すときに、役立つものとして、『食事バランスガイド』などがありますので、参考にして下さい。
また、生活に取り入れやすい運動としては、30分程度のウォーキングがあげられます。関節に負担がかからず、比較的全身を使う運動としては、自転車や水泳などが適切だと思います。これまでに運動習慣がない方も、気分転換を兼ねて、体を動かしてみることをおすすめします。

治療の影響による更年期症状

悩み

発汗やのぼせ等更年期症状が頻繁に起き、つらい。

助言

【さまざまな身体の不調や違和感】


更年期障害の症状は、顔のほてり、発汗、いらいらなど多様です。卵巣摘出やホルモン薬治療の影響、閉経期という年齢の影響などによって、卵巣機能が低下してホルモンのバランスが乱れ、さまざまな身体の不調や違和感が起こります。
症状がひどい場合は、担当医にご相談下さい。

【日常生活の工夫】


◎ 急なほてり感や発汗に対応できるような服装を工夫する
急なほてり感や発汗にもすぐ対応できるように、脱ぎ着がしやすい服装(カーディガンなどで調整)を心がけてみましょう。
たくさん汗をかくと、衣服が濡れ、不快感を伴うこともありますから、下着は吸汗性の良い綿の素材などが良いでしょう。
脇の下の汗じみが気になるときは、使い捨てで衣服の脇の部分に貼る汗取りシートや、脇の下の汗とりインナーのついた下着などを利用することもできます。
自宅にいるときは、ほてり感や冷えなどにあわせて、空調などはこまめに調整してみましょう。

◎ 食事での注意
香辛料をたくさん使った食事や、酸味の強い食事、熱い飲み物などは、ほてり感などの誘因になりやすいので、できるだけ控えましょう。

◎ リラクセーション
体の疲れや心の疲れ(不安や不安定感など)でバランスをとるのが難しいとき、ストレスがたまっているなと感じるときなどは、リラクセーションを日々の生活の中に取り入れてみましょう。
リラクセーションには、呼吸法や筋弛緩法、自律訓練法などもありますが、他にも以下のような方法があります。
○ 運動療法
難しく考える必要はありません。ストレッチ体操や散歩など、好きな運動をするだけでかまいません。適度な運動により、からだの緊張がほぐれます。からだの緊張をほぐすことで、同時にこころの緊張もゆるめていきます。
○ 音楽療法
リラックスできるような音楽を集めたCDなどもありますが、自分の好きな音楽を聴くことでもかまいません。
○ イメージ療法
心地よいイメージを思い浮かべて、十分に心地よさを味わいます。
たとえば、緑の芝が広がった野山を歩いている・・・風がとても気持ちいい・・・鳥の声が聞こえる・・・など、簡単なイメージを浮かべることでも気持ちが落ち着いてきます。

【日常生活上の工夫は体験者の話も聞いてみる】


通院治療のときは、外来診察の待ち時間や治療時などに顔を合わせる患者さんと話をしてみましょう。同じ体験をしたからこそ分かち合える気持ちもあります。また人に話すことで、つらさが少し楽になることもあります。もしかしたら、良いアドバイスをもらえるかもしれません。
また、患者会などに参加し情報交換してみてもよいでしょう。

ホルモン療法等による副作用(その他)

悩み

前立腺がんでホルモン療法中の家族が、食欲がなくやせてきているのが心配。どのようなものを食べさせたらよいのかわからないので教えてほしい。

助言

【通常の食事で食欲がわくように】


ホルモン治療で食欲不振がみられることがありますが、通常の食事で食欲がわくようにすることが大切だと思います。

ご家族の方は、できるだけ栄養のあるものを食べてもらいたいと思われていることでしょう。
しかし食事がエネルギーを得るためだけの行為とすれば、味気ないものになってしまいます。食事内容は、これまでの食習慣がかなり影響するので、ご本人の好みと栄養バランスを考えながら準備することが重要です。

また食事は、環境に影響されたり、心理状態を反映したりします。家族や友人と一緒に会話をしながら食事をすることは、楽しみを増します。散歩などで空腹感を引き出したり、風景を楽しみながら食事をするのもよいでしょう。

(ホルモンバランスの変化)更年期症状で仕事に集中できない

悩み

ホルモン剤の副作用のため、1~2時間おきにホットフラッシュが起こる。時と場所を選ばないため、汗を拭きながら仕事をしなければならない。

助言

【ホットフラッシュ(ほてり感やのぼせ等)について】


乳がんでホルモン剤を使用していると、ホルモン環境がアンバランスになり、更年期障害のような症状が出やすくなります。これは、エストロゲンという女性ホルモンが少なくなるためです。
ほてり感やのぼせ、発汗などは『ホットフラッシュ』と呼ばれており、これは、エストロゲンが減って体温調節がうまくできなくなったり、皮膚の血流が増えるために起こります。
通常、こういった症状はホルモン療法の治療開始から数ヶ月くらいたつと徐々に軽くなってくるといわれています。

【日常生活の工夫】


◎ 急なほてり感や発汗に対応できるような服装を工夫する
急なほてり感や発汗にもすぐ対応できるように、アンサンブルなど脱ぎ着がしやすい服装(カーディガンなどで調整)を心がけてみましょう。また、たくさん汗をかくと、衣服が濡れ、不快感を伴うこともありますから、下着は吸汗性の良い綿の素材などが良いでしょう。また、脇の下の汗じみが気になるときは、使い捨てで衣服の脇の部分に貼る汗取りシートや、脇の下の汗とりインナーのついた下着などを利用することもできます。また、自宅にいるときは、ほてり感や冷えなどにあわせて、空調などはこまめに調整してみましょう。

◎ 夏などに使用する暑さ対策グッズを利用する
最近では、猛暑対策として汗取りや暑さ対策用のグッズなどの種類が増えています。こういったグッズを利用してみてもよいでしょう。
タオルなどにスプレーすると、ひんやりする冷却スプレー、細い筒状の布のなかに特殊なポリマーが入っていて水を含ませると長時間冷感が持続するスカーフ、新しく開発された繊維を使った冷感マフラー、使い捨ての汗ふきシートなどがあります。汗ふきシートは、外出時などもすぐに使えるようにバッグに常備しておくとよいでしょう。

◎ 食事での注意
香辛料をたくさん使った食事や、酸味の強い食事、熱い飲み物などは、ほてり感などの誘因になりやすいので、できるだけ控えましょう。

◎ リラクセーション
ストレスもほてり感などの誘因になりやすいので、リラクセーションを試してみましょう。リラクセーションには、呼吸法や筋弛緩法、自律訓練法などもありますが、他にも以下のような方法があります。
○ 運動療法
難しく考える必要はありません。ストレッチ体操や散歩など、好きな運動をするだけでかまいません。適度な運動により、からだの緊張がほぐれます。からだの緊張をほぐすことで、同時にこころの緊張もゆるめていきます。
○ 音楽療法
リラックスできるような音楽を集めたCDなどもありますが、自分の好きな音楽を聴くことでもかまいません。
○ イメージ療法
心地よいイメージを思い浮かべて、十分に心地よさを味わいます。たとえば、緑の芝が広がった野山を歩いている・・・風がとても気持ちいい・・・鳥の声が聞こえる・・・など、簡単なイメージを浮かべることでも気持ちが落ち着いてきます。

(ホルモンバランスの変化)更年期症状で眠れない

悩み

乳がんのホルモン療法による更年期障害による症状(突然のほてり感や発汗など)で、不眠症に悩まされた。

助言

【ホットフラッシュ(ほてり感やのぼせ等)について】


乳がんでホルモン剤を使用していると、ホルモン環境がアンバランスになり、更年期障害のような症状が出やすくなります。これは、エストロゲンという女性ホルモンが少なくなるためです。
ほてり感やのぼせ、発汗などは『ホットフラッシュ』と呼ばれており、これは、エストロゲンが減って体温調節がうまくできなくなったり、皮膚の血流が増えるために起こります。
通常、こういった症状はホルモン療法の治療開始から数ヶ月くらいたつと徐々に軽くなってくるといわれています。

【日常生活上の工夫は体験者の話も聞いてみる】


通院治療のときは、外来診察の待ち時間や治療時などに顔を合わせる患者さんと話をしてみましょう。同じ体験をしたからこそ分かち合える気持ちもあります。また人に話すことで、つらさが少し楽になることもあります。もしかしたら、良いアドバイスをもらえるかもしれません。
また、患者会などに参加し情報交換してみてもよいでしょう。

【症状がひどい場合は担当医に相談してみる】


日頃の診療のなかでも、症状があるときは、担当医に報告したり相談したりすることがあると思いますが、担当医に伝えるときに、どういう症状が起こり、それが日常生活にどういう影響があるのかなど、一度整理してから伝えるようにしましょう。ただ「つらくて仕方がないので何とかなりませんか」では、相手にうまく伝わりにくいものです。
場合によっては、夜ぐっすり眠るための睡眠薬をだしてもらうことで、からだが少し楽になることもあります。

【日常生活での工夫】


◎ 急なほてり感や発汗に対応できるような服装を工夫する
急なほてり感や発汗にもすぐ対応できるように、脱ぎ着がしやすい服装(上着などで調整)を心がけてみましょう。

◎ リラクセーション
リラクセーションには、呼吸法や筋弛緩法、自律訓練法などもありますが、他にも以下のような方法があります。
○ 運動療法
難しく考える必要はありません。ストレッチ体操や散歩など、好きな運動をするだけでかまいません。適度な運動により、からだの緊張がほぐれます。からだの緊張をほぐすことで、同時にこころの緊張もゆるめていきます。
○音楽療法
リラックスできるような音楽を集めたCDなどもありますが、自分の好きな音楽を聴くことでもかまいません。
○イメージ療法
心地よいイメージを思い浮かべて、十分に心地よさを味わいます。
たとえば、緑の芝が広がった野山を歩いている・・・風がとても気持ちいい・・・鳥の声が聞こえる・・・など、簡単なイメージを浮かべることでも気持ちが落ち着いてきます。

女性機能の障害(性交痛、分泌液の減少等)

悩み

性交痛があり、悩んだ。

助言

【原因にそった対処とパートナーの理解を得ましょう】


婦人科のがんでは、手術や放射線治療などの影響で、性生活に影響を与える問題が起こることがあります。
性交痛の原因は、広汎子宮全摘出術後、膣の長さが短くなること、膣分泌液の低下、放射線治療による膣粘膜の炎症などが考えられます。
膣分泌液が低下している場合は、潤いを補うために潤滑ゼリーを使用したり、潤滑ゼリー付きのコンドームを使用することで痛みを和らげることができます。膣の長さが短くなることに対しては、性行為の体位を調整してみてください。
潤滑ゼリーを使う場合は、水溶性で香りや色のついていないものを選びましょう。これは、膣への刺激をできるだけ避けるための対応です。

一人で悩まないで、看護師に相談してみましょう。子宮や卵巣を摘出した後も性生活は可能です。ただし、手術後などはいつから性生活を開始してよいか医師に(医師に尋ねにくかったら看護師に)確認してみましょう。退院後の生活指導や説明を受けるときには、できれば最初からパートナーにも同席してもらいましょう。一緒に聴くことで、パートナーはあなたのつらさを理解する機会を得、注意しなければいけない点も理解することができるでしょう。

性生活の変化

悩み

子宮がないという喪失感、子どもを一人っ子にしてしまった罪悪感を覚え、夫婦間の交渉もうまくいかなくなった。

助言

【寄りそう人を見つける】


子宮という、女性にとってとても大切な体の一部をお取りになったことは、本当につらい体験だったとお察しします。がんという病気を治す、という目的あってのことではありますが、理屈では割り切れない、深いこころの痛みをお感じになっているのではないでしょうか。
この言葉は、もしかすると少しきつく響いてしまうかもしれませんが、手術を受けた、という事実は、もう過ぎたことで、それ自体を変えることはできません。変えることができるのは、それをどう受け止めるか、という、あなた自身のこころの姿勢だと思います。
ただ、ご自身のこころのあり方を無理に変えようとすると、それ自体がストレスになって負担に感じることもあるでしょう。あるがままの気持ちで日々の生活に向きあい続けることで、いつか振り返ったときに、からだのことを以前より受け入れているご自身に気づく日が来るかもしれません。
あなたは一人ではないはずです。事実を受け入れ、納得できるかどうかは、あなた自身にゆだねられていますが、その間、揺れる気持ちに寄りそってくれる人が必ず見つかると思います。家族や親しい友人の中にそんな人が見当たらない時には、病院のスタッフに思いを打ち明けてみてください。

【子供は成長し、理解するはずです】


お子さんについて、『一人っ子にしてしまった罪悪感』とありますが、これはあなた自身の思いなのでしょうか、それとも具体的にお子さんの方から何か言葉があったのでしょうか。
あなた自身が罪悪感をお感じになっているのであれば、どうかご自身を責めないでください。病気になったこと、治療したことは、あなたが悪いわけではまったくないのです。もちろん、きょうだいがいなくても幸せに過ごしている方がたくさんいるのは、言うまでもありません。
もし、お子さんが『寂しい』と言われたのであれば、とてもおつらかったことだと思います。ですが、子どもはゆっくりと成長していきます。がんという病気と向きあうことのたいへんさ、病気を治すために子宮を取ることをあなたが決断した重みを、いつかお子さんは理解されると思います。『一人っ子にしてしまった』と罪悪感を感じるほど、お子さんを愛しているあなたの思いも、きっと伝わる日が来ると思います。

【夫婦生活の基本はコミュニケーション】


夫婦間の性生活がうまくいかない原因として、どんなことが思いあたるでしょうか。
病気や治療の結果、体に生じた変化が原因なのでしょうか。それとも、“セックスがからだに影響するのではないか”という不安や、漠然とした自信の喪失感が原因なのでしょうか。あなたではなく、パートナーの側に原因がある、とお感じになっているかもしれません。
また、あなたが求めるパートナーに求めているのは具体的にどんなことか、イメージできるでしょうか。“こうあるべき”という思いにしばられる必要はありません。もしかすると、あなたが求めるものは、性交渉以外の形でも充足することができるかもしれません。
性に関することは、人に相談するのが恥ずかしかったり、“がんになったのだから…”と諦めたりしてしまいがちです。ですが、きちんと自分の思いを言葉にしたり、それをパートナーと伝えあったりすることで、問題が解消できることも少なくありません。
大切なことは、プライバシーがきちんと確保できる場所で、少しずつでも、気持ちを外に出していくことです。病院に心理職がいれば、カウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。パートナーと一緒にカウンセリングを受けることが効果的なこともあります。
からだや病気に直接関係する不安(“性生活は病気に影響しないか”など)は、担当医に相談することで解消できるでしょう。また、同性の、同じ世代の患者さん同士と情報を交換してみたり、患者会から情報を得たりすることも、参考になるかもしれません。