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胃切除

胃切除で食事が楽しめないのに炊事をしなければならない苦痛

悩み

食事がのどを通らず、味覚障害もあるなかで、食事をつくることがつらかった。

助言

【市販品の活用】


料理は、手間がかかる場合が多く、調理の負担があります。すでに出来上がっているものを上手に利用することで、負担を軽くすることができます。
便利な食材、調理済み食品が市販されていますので、上手に活用してみましょう。
スーパーマーケットのほか、通信販売を利用すると買い物の負担も少し軽減されると思います。

○ レトルトパック食品
粥、スープ類、カレー、煮物類、素材類など

○ 調理済み食品
温泉卵、茶碗蒸し、ごま豆腐、卵豆腐など

○ 冷凍食品
めん、焼きおにぎり、いなり寿司、素材類など

○ 缶詰食品

【味覚の変化や症状に合わせて、味を調整する】


「味がしない」、「味が薄すぎる」と感じる時は、味のはっきりした料理にしましょう。
味付けがはっきりしている料理とは、味付けを濃くすることもそうですが、塩分を多くとったり砂糖を多く入れたりすることばかりを言うのではありません。味をはっきりさせる工夫を参考にしましょう。

【味をはっきりとさせる工夫】


◎ だしをきかせる
塩分を増やさずに、味をはっきりさせる工夫をしましょう。
削り節を煮出した後、しばらくおいて冷ますことで、だしがよく出ます。また、シチューにバターなどの乳製品を加えたり、煮物にみりんや酒を加えたりすることで味にコクが出ます。

◎ ごま、ゆずなどの香りや、酢を利用する
酢の物にレモン、かぼす、ゆずなどを添えると酸味がよく効くようになります。
アジを素焼きにして、レモンなどをしぼって食べてみましょう。しょう油をかける時は、なるべく少量にするよう心がけます。また、片栗粉をまぶして揚げてから酢醤油につけ、南蛮風にしてみるのもよいでしょう。

◎ 食材のうまみをいかす
食材を増やすことで、具のうまみがたくさん出て味がはっきりします。
汁物を作る時は、みそやしょう油の量は普段通りで増やさずに、具をたくさんにしてみましょう。具の種類を増やしてみるのもよいでしょう。

◎ 味にアクセントをつける
味の変化が少し分かる場合には、味に変化をつけたりアクセントになるものを添えたりすることが効果的です。
からしあえ、ごまあえ、梅肉あえ、しょうが焼き、セロリやクレソンのサラダ、カレー風味など、多少の香辛料や香味野菜を用いて味に変化をつけるとよいでしょう。また、漬物などを味のアクセントにそえることも効果的です。

◎ 少し低温の料理にする
できたての温かいものを食べるよりも、少し冷めた程度の料理を食べる方がおいしく感じることがあります。
肉じゃがやシチュー、茶碗蒸しなどは、冷ましてから食べてみましょう。

【いつもと違う「まずい味」の食品はひかえる】


苦味、薬のような味、金属のような味など、本来と違う味を感じたり、嫌悪感を覚えたりする食品や調味料は控えましょう。

○ 塩味を控えめにしましょう。
○ だしを利かせたり、ごまやゆずなどの香り、酢を利用してみましょう。
○ 化学調味料の味が気になることがあるので、控えめにしましょう。

【障害のある味覚があまり影響しない食品・料理】


特定の味を強く感じる場合は、障害のある味があまり影響しないようにします。
例えば、甘味を強く感じ、食べたものがみんな甘く感じてしまうような場合は、みりんや砂糖などの甘さを控えた味つけにしましょう。
また、食品そのものに障害となる味があるものは控えましょう。例えば、甘味を強く感じる場合は、干し柿やジャムのようなものは控えた方がよいでしょう。

【症状にあわせた対処方法】


1. 味が濃すぎると感じる場合
状態に合わせて、薄味かだしのみの調理にしてみましょう。
化学調味料(だし)を使用せず、天然のだしを利用してみましょう。

2. 甘みに敏感になり、何でも甘く感じる場合
砂糖やみりんを料理には使用しないようにしましょう。
塩・しょう油・みそなどを濃いめにしてみましょう。
ゆずやレモン、酢などの酸味を利用してみましょう。

3. 肉類の味を苦味や金属味と感じる場合
肉類の味に変化が起きて食べられなくなった場合には、別の食品でたんぱく質を摂ることができます。
チーズ、ヨーグルト、牛乳、アイスクリーム、ピーナッツバターなど

4. 特定の味を強く感じる場合
特定の味(苦味・甘味・塩味など)を強く感じる場合は、だし煮やスープ煮のような調理法もおすすめです。
食品そのものが障害となる味のあるもの(例えば、ハムやソーセージなど)で、苦味を強く感じたり、干物などが塩味を強く感じたりする時は、障害となる味のあるものは控えましょう。

【うがいをしたり、あめをなめたりする】


口の中が汚れていると、味も変わってきます。歯磨きやうがいをすることで、口の中の汚れがとれ、味の感じ方が変わることもあります。
また、レモン水や緑茶を飲んだり、無糖の固いあめをなめたりすることも効果的です。自分に合った方法で、口の中を清潔にしましょう。
唾液は口の中を湿らせ食物をかみ砕き、飲み込むことを容易にします。また、口の中を清潔にし、味覚を助ける働きがあります。治療の副作用で、唾液の分泌が抑制されると、口の中が乾燥したり、味覚が変化したりなどの症状を伴うことがあります。唾液の分泌を促すためには、うがいをしたり、あめをなめたりするとよいでしょう。ただし、糖分は逆効果になることもあるので、無糖のものをおすすめします。

胃切除により栄養維持できるか不安

悩み

胃切除後、食事に注意し制限も必要で、いつまで制限が必要なのか、元のように食べられるようになるのか心配した。

助言

【切った胃に合わせた新たな習慣を身につける】


残念ながら胃の手術後に、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、他の消化管でおぎない食習慣を変更していかなければいけません。ですから、早食いやほとんどかまずに丸呑みするような食事をしていた人は、元の食習慣を改善し新たな食習慣を身につけていかなければなりません。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除により食事が少しずつしか食べられない

悩み

少しの食事ですぐに満腹になってしまう。

助言

【間食で補ったり、少量で高エネルギーの食事を摂る】


胃がん術後の体重の回復には、摂取カロリーが関係していると言われています。少しの食事ですぐに満腹になってしまい、体重が増えないという方の場合、間食で補ったり、少量で高エネルギーの食事を摂ったりする工夫がよいでしょう。

間食に
○ 蒸しパンやカステラ、菓子パンなどを用意しておけば、手軽に食べられます。
○ 缶詰のくだものを常備しておくと便利です。
○ バナナやりんごをヨーグルトに入れて、フルーツヨーグルトにしてみましょう。
○ ビスケットやプリンなどのデザートも利用してみましょう。

【切った胃に合わせた新たな習慣を身につける】


残念ながら胃の手術後に、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、他の消化管でおぎない食習慣を変更していかなければいけません。ですから、早食いやほとんどかまずに丸呑みするような食事をしていた人は、元の食習慣を改善し新たな食習慣を身につけていかなければなりません。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除により食事がつまる

悩み

食事が喉、胸、胃などにつかえたようになってしまい、吐くこともあって悩んだ。

助言

【食物のつかえ】


胃全摘術または噴門部切除術を受けた場合、つなぎ目が狭く、収縮しないために、食べ物の流れが滞ることがあります。また、食道と腸をつなげた場合にも、食べ物の通過する速度が異なることから、つかえ感が起こることがあります。
あわてて水を飲んだりするとかえって苦しく、思い切って吐いてしまうほうがすっきりするようです。
予防法としては、一口量を少なめにし、よく噛むことです。食事はゆっくり、特に最初の一口は注意し、食物を飲み込んだり、箸を口に運んだりする一つひとつの動作をゆっくりするように心がけましょう。

胃切除による食欲減退

悩み

胃切除後、空腹感がなく、食欲が出ない。

助言

【食欲不振の原因が明らかなならば、それを改善する工夫をする】


さまざまなことが原因で起こる食欲不振ですが、原因がわかると対処法が見つかる場合もあります。

食欲不振はさまざまなことが原因で起こります。
治療(手術、抗がん剤治療、放射線療法など)、精神的な動揺・ストレス、既往疾患、がんなどが、食欲に影響を与えると考えられます。

また、他の症状に伴って起こることもあります。
吐き気、おう吐、味覚障害、嗅覚障害、口内炎、口内乾燥、咀嚼・嚥下障害、胸やけ、下痢、便秘、発熱、全身倦怠感、腹部膨満感など

どんなことが原因で食欲がなくなっているのか考え、それに応じた対応をしましょう。

【食事を楽しむ】


食欲は食べる場所や雰囲気などによっても変わります。庭やベランダなど、いつもと違う場所での食事や、家族・友人と楽しく食事をするなど、気分を変えてみるのも食欲増進に効果的ですので、いろいろな工夫をしてみましょう。
また、胃切除術後の食事の注意点について、頭で難しく考えすぎてはいませんか。
基本は、
◎ よくかんでゆっくり食べる
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
 間食も活用しましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
 食後は30分程度、安静にするとよいでしょう。
◎消化のよい食品、調理法から徐々に、バランスの取れた食事を心がける
 具体的には、食物繊維の多いもの、脂肪の多いものは注意しましょう。「煮る・蒸す・茹でる」調理方法が消化しやすく、「焼く、炒める、揚げる」の順になります。

術後、少しずつ慣れていきますので、気持ちにゆとりを持って、焦らないことも大切です。
退院後半年の時点で、胃の手術前に比べて、体重が増加している患者さんは少なく、手術前より減少しているか、退院時よりは増えているけれど手術前までには回復していない患者さんがほとんどです。

食べ物の逆流

悩み

胃切除後より、食後の胃の不調、不快感に悩んだ。

助言

【胃の働き】


胃は、口から食道を通って入ってきた食べ物が一度に腸に送り込まれないように、一時的に食べ物を胃のなかにとどめて、消化液の一つである胃液によってタンパク質を分解消化し、消化された食べ物を十二指腸に送ります。また、胃液には、食べたものを酸性にして殺菌し腐敗を防ぐ効果もあります。胃の入り口側にある『噴門』は、消化液が食道に逆流するのを防いでいます。
胃を切除(もしくは部分切除)すると、これらの働きが低下したり、消失することになります。
また、胃の切除(もしくは部分切除)によって胃の大きさ自体も小さくなりますから、一度の食事で十分に食べることはできません。

【切った胃に合わせた新たな習慣を身につける】


残念ながら胃の手術後に、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、他の消化管でおぎない食習慣を変更していかなければいけません。ですから、早食いやほとんどかまずに丸呑みするような食事をしていた人は、元の食習慣を改善し新たな食習慣を身につけていかなければなりません。
また、胃を切ったことで、胃液の出が少なくなったりなくなるので、胃液による殺菌力が低下してしまいます。食中毒などを起こしやすくなるので、食事はできるだけ新鮮なもの、または火の通ったものを食べるようにしましょう。
手術で噴門を切除すると、横になったときに胆汁などの消化液が食道に逆流し、食道が炎症を起こしたり、胸やけが起こることがあります。食事が終わったらすぐ横にはならず、しばらく座っていましょう。また寝る前に何か食べると、寝ている間に消化液が逆流し、朝目が覚めたときに胸やけを起こしてしまうことがあるので、寝る前に食べるのはやめましょう。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除手術後の回復

悩み

食事を少しずつしか食べられず、体力が回復せず、回復までどのくらいかかるのか心配。

助言

【食事量をどのように増やしていけばよいのか】


退院後半年の時点で、胃の手術前に比べて、体重が増加している患者さんは少なく、手術前より減少しているか、退院時よりは増えているけれど手術前までには回復していない患者さんがほとんどです。
体重減少をとめるには、摂取エネルギーを増やす、つまり食事量を増やすことが有効なのですが、「胃切除後、ダンピング症状などを起こさずに、どのように食事量を増やしていけばよいのか」という患者さんやご家族の声をよく聞きます。
一般的には、1回の食事摂取量が少なくなるぶん食事回数を増やすこと、少量で高エネルギーの食品をとることが挙げられます。
高エネルギーの食品の例として、たんぱく質が豊富に含まれる食品を紹介します。

1. チーズ
料理にのせて焼いてみましょう : パン・肉・魚
すり下ろして料理にかけてみましょう : スープ・マッシュポテト
料理に加えてみましょう : オムレツ・炒り卵
おやつに加えてみましょう : チーズケーキ・ホットケーキ

2. 牛乳・ヨーグルト
飲み物や料理に使ってみましょう :シチュー・卵焼き
インスタント食品に加えてみましょう : シリアル(コーンフレーク)・スープ
その他 : ドレッシング、魚や肉の下味、ヨーグルトアイスなどデザートに

3. 豆・豆腐
煮たり裏ごししたりして食べてみましょう : 茶碗蒸し・あんこ・プリン
料理に加えてみましょう : 煮物・炊き込みご飯

【食事をするうえでの基本的なコツ】


胃の手術後、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、胃が行っていた消化や吸収を小腸など他の消化管でおぎなうことになりますが、以前よりはそのはたらきは低くなります。だからこそ、少しでも消化吸収を助け、栄養をとっていけるように、食習慣を変更していかなければいけません。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。

◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。

◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除後に体重が増えない、体重減少

悩み

食事を思うように摂れず、体重が減ったまま戻らないことに悩んでいる。

助言

【食事をするうえでの基本的なコツ】


胃の手術後、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、胃が行っていた消化や吸収を小腸など他の消化管でおぎなうことになりますが、以前よりはそのはたらきは低くなります。だからこそ、少しでも消化吸収を助け、栄養をとっていけるように、食習慣を変更していかなければいけません。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。

◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。

◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除による他の臓器への影響が気がかり

悩み

胃切後の2年間で胆のう炎、胆石、胆管炎を患った。

助言

【胃がん術後の胆石症】


胃がんの術後、胆石症を発症することがしばしばあります。
症状がなければ経過観察をし、痛みや炎症などがあれば、胆のうを切除する手術を行います。
胃の手術の際、胆石症の予防として、胆のうを切除する医療施設もあります。
胆のうは、胆汁という消化液を濃縮して蓄える袋の役割をしており、胆汁は、肝臓でつくられています。胆のうをとっても、日常生活に支障がみられることは通常ありません。
手術による後遺症や合併症に関して、不明な点は、担当医にご相談ください。

胃切除後の腹部症状(腹痛、腹部膨満感、頻回の排ガス等)

悩み

食事の仕方や献立により食後すぐに腹痛がでることがある。

助言

【胃の働きと変化を理解しましょう】


胃は、口から食道を通って入ってきた食べ物が一度に腸に送り込まれないように、一時的に食べ物を胃のなかにとどめて、消化液の一つである胃液によってタンパク質を分解消化し、消化された食べ物を十二指腸に送ります。また、胃液は、食べたものを酸性にして殺菌し腐敗を防ぐ効果もあります。胃の入り口側にある『噴門』は、消化液が食道に逆流するのを防いでいます。
胃を切除(もしくは部分切除)すると、これらの働きが低下したり、消失することになります。
また、胃の切除(もしくは部分切除)によって胃の大きさ自体も小さくなりますから、一度の食事で十分に食べることはできません。
ご自身で書かれているように、食事の仕方や献立で腹痛が出るようであれば、どういう食事の仕方をしたときか、どういう食事内容(メニュー、調理した食品の固さなど)のときだったか整理して、食事の仕方を意識して気をつけるようにしたり、腹痛や下痢を起こしやすい食品は控えるようにしてみましょう。

【切った胃に合わせた新たな習慣を身につける】


残念ながら胃の手術後に、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、他の消化管でおぎない食習慣を変更していかなければいけません。ですから、早食いやほとんどかまずに丸呑みするような食事をしていた人は、元の食習慣を改善し新たな食習慣を身につけていかなければなりません。
また、胃を切ったことで、胃液の出が少なくなったりなくなるので、胃液による殺菌力が低下してしまいます。食中毒などを起こしやすくなるので、食事はできるだけ新鮮なもの、または火の通ったものを食べるようにしましょう。
手術で噴門を切除すると、横になったときに胆汁などの消化液が食道に逆流し、食道が炎症を起こしたり、胸やけが起こることがあります。食事が終わったらすぐ横にはならず、しばらく座っていましょう。また寝る前に何か食べると、寝ている間に消化液が逆流し、朝目が覚めたときに胸やけを起こしてしまうことがあるので、寝る前に食べるのはやめましょう。

胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。

◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。

胃切除による胆汁など消化液の逆流

悩み

もの(食事)を食べて、すぐ動くと苦いものがあがってくる。

助言

【食後30分ぐらいは座った姿勢で】


胃の手術後、苦いものや酸っぱいものが喉にあがってきたり、胸やけをしたりすることがあります。これは、手術によって胃の入り口の逆流防止の機能が損なわれたために起こります。
かがんだ姿勢のとき、横になったとき、食べ過ぎたときに、症状が見られやすいです。食後30分ぐらいは、座った姿勢を保ってから動くとよいでしょう。
夜、床に入って症状が見られる人は、上体を20度ぐらい高くして休むとよいと言われています。粘膜保護剤、制酸剤、酵素阻害剤など、症状にあった薬が処方される場合もあります。

胃切除後のダンピング症状

悩み

胃切後、ダンピング症候群(低血糖、脱力感、めまい、息苦しさ等)に悩まされ続けた。

助言

【ダンピング症候群はどのように起こるか】


本来、胃は、食物と胃液を混ぜて粥状にし、食物を貯めて、徐々に小腸に送り出す働きをしています。
ダンピング症候群は、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こります。
食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられます。

○ 早期ダンピング症候群
食物が腸に急速に流れ込むことで起こります。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感などです。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もあります。
(なお、食道がんの手術でも、食道を再建するために、胃や小腸の一部を使って食べたものの通り道にすることがあります。通り道が変わることで、食べたり飲んだりしたものが急速に流れ込み、ダンピング症候群が起こりやすくなります。)

○ 後期(晩期)ダンピング症候群
食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。これに反応してインスリンという血糖を下げるホルモンがたくさん分泌され、逆に低血糖になって起こります。
症状としては、食後2~3時間たって、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。

【胃切除後の食事の注意】


○食べ過ぎに注意し、一回量は控えめにしましょう。間食を上手に利用しましょう
○よく噛んでゆっくり食べましょう(1口30回、1食30分くらいを目標にしましょう)
○少量でも栄養価の高い食材を選びましょう
○バランスのとれた食事を心がけましょう
○早期ダンピング症候群の予防には、糖質の少ない食事をとり、食事中の水分摂取も控えましょう
○後期(晩期)ダンピング症候群の低血糖症状がみられたときは、あめや氷砂糖などを摂りましょう

“食べると苦しくなる”“食べる義務”と強く意識したり、焦ったりせずに、気持ちにゆとりをもって食事をしましょう。