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失声

永久気管孔による入浴時の不自由

悩み

喉に穴が空いているため、お風呂に入るとき困る。

助言

【同病者の体験談を聞いてみる】


喉頭全摘出術を受けると、喉のところに永久気管孔が造設され、ここから気管を経て肺に空気が入ります。永久気管孔に水が入るということは、つまり肺に水が入るということなので、入浴時、湯船に肩までつかることができなかったり、洗髪のときは前かがみになって、永久気管孔が真下に向くようにしたりする必要があります。
入院中に初めて入浴、洗髪するとき、湯船のお湯は胸の高さまでにする(肩が冷える場合は、タオルをかける)、タオルを首に巻く、シャンプーハットやケープを使うなどの方法を教えてもらいます。
特に最初の頃は、入浴が怖かったり、難しく感じたりするかもしれませんが、慣れるに従い、簡略化した自分の方法が見つかると思います。
喉頭摘出者の患者会が全国にありますので、参加して、同病の先輩の体験談や知恵を聞いてみるとよいと思います。患者会がどこにあるか分からないときは、おかかりの病院の相談室かがん診療連携拠点病院の相談支援センターにお問い合わせください。

喉頭摘出による食生活の変化

悩み

喉の通りが悪くなったので、食事が進まない。

助言

【食べやすくなる工夫】


手術により食道の一部が狭くなり、食べものが通りにくくなることがあります。
食事は活動のエネルギーになるだけでなく、食事を楽しんだり、一緒に食事をする人との関係を深めたり、精神的な満足にもつながります。
細かく刻んだりするなど調理法の工夫をし、よく噛んで食べるようにしましょう。

1. 食べやすくなる工夫

(1) 水分が多くやわらかい、口当たりのよい食品をとりましょう。
(2) 少量の油脂類を加えると飲み込みやすくなります。
(3) あんかけやソースにからめるなど、水分にとろみをつけると食べやすくなります。
(4) 誤嚥の心配がある時は、食品の形態や水分に注意が必要です。(増粘剤などを利用しましょう)
(5) 食事は飲み物や汁物とセットで食べるとよいでしょう。
(6) 食事は人肌程度がよいでしょう。

(失声)家族や社会とのコミュニケーション障害

悩み

食道発声、人工喉頭等の使用でコミュニケーションは可能だが、十分に意思を伝えることができず、ストレスが高じやすい。

助言

【ていねいに語り、しっかり聴く】


発声と聞き取りに時間がかかるので、喉頭を摘出した患者さんから「言いたいことが伝わらない」、「最後まで話を聞いてもらえない」などの悩みが寄せられます。コミュニケーションの受け手になる人は、このような思いを十分に尊重し、コミュニケーションをとる必要があると思います。
重要なのは、ていねいに語り、しっかり聴くことです。話題が何なのか、キーワードを先に伝えると、相手にとっては話の内容がみえやすく、言いたいことが伝わりやすくなります。落ち着いた場所で話すなどの環境づくりがよいこともあります。また、コミュニケーションは、言葉だけでなく、表情や身振りなどからも伝わります。お互いに慣れてくると、さまざまな感覚を総動員させて、わかり合えるようになると思います。