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集学的治療とキャンサーボード



助言


これまでのがん医療では、がんと診断され治療を受ける際、縦割りの診療科ごとに行われていることがほとんどでした。けれども、がんの治療では、手術だけではなく放射線療法や薬物療法を組み合わせて治療を行っていくなど『集学的治療』が行われるようになってくるなかで、横断的な仕組みや取り組みが行われるようになってきました。
手術、放射線療法、薬物療法、放射線診断医、病理医などそれぞれ専門的な知識や技術を持っている医師などが、患者さんの病状や治療方針などを意見交換・情報共有・検討・確認していくためのカンファレンス(『キャンサーボード』と呼ばれることもあります)もその一つです。

『キャンサーボード』は、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針(平成30年7月)にも『がん患者の病態に応じたより適切ながん医療が提供できるよう、キャンサーボードを設置し、月1回以上開催すること』と記載されています。
また、拠点病院以外でも、同じような取り組みをしている医療機関も少しずつ出てきており、病院のシステムとしてはなくても、担当医は、患者さんの治療方針などで、必要に応じて、他科紹介(他の診療科に診療を依頼する)、あるいは個別に専門的な知識や技術を持っている他の医師に相談したり、その医師と検討したりということも行っています。

医師は、同じ診療科のなかでもカンファレンス等で患者さんの情報共有や治療方針の検討を行いますし、『キャンサーボード』のようなカンファレンスも行われています。ただ、こういう試みがされていても、通常の外来では診療科ごとにわかれていますから、外側からみると、一見従来の縦割りの診療で行われているようにみえるかもしれません。

(更新日:2019年2月25日)


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