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セカンドオピニオンを受けるべきか



助言


セカンドオピニオンを受ける効果は、次のようなことが考えられます。
◎ 現在の担当医の診断や方針について、他の医師に再確認することで、納得して治療を受けることができます。
◎ 現在の担当医の提示する治療法以外の治療法の情報を得ることもあります。

セカンドオピニオンを受けようか迷っている時は、まず担当医の治療の説明を十分理解できているか、なぜセカンドオピニオンを受けようと思ったのか、もう一度自分自身に問いかけてみましょう。少なくとも、現段階では、あなたの病気の状況を一番よく知っているのは、現在の担当医なので、わからないことがあれば、まず担当医に確認しましょう。もしかしたら、理解できていない点や疑問な点を担当医に確認することで、 セカンドオピニオンを受けなくても、あなたの迷いや問題は解決するかもしれません。
また、どこかに相談したいのであれば、外来の看護師、かかっている医療機関の相談窓口、または、がん診療連携拠点病院の相談支援センター(よろず相談)に相談することができます。人に話すことで、自分の頭の中を再整理することもできますし、セカンドオピニオンを受けるとしたら、どこで受けられるかという情報などを得られるでしょう。

現在、セカンドオピニオンを実施している病院は増えてきていますが、まだ数も限られています。また、多くの医療機関では、セカンドオピニオンは予約をとって実施していますので、場合によっては、2~3週間待たなければいけない場合もあります。このことをあらかじめ承知しておきましょう。

セカンドオピニオンを受ける際には、担当医に「セカンドオピニオンを受けたい」とはっきりと申し出ることと、セカンドオピニオンは病院を移るのではなく、他の医師の意見を聞くことであることをよく理解しておきましょう。
もし、セカンドオピニオンを受けた病院での治療方法を選択しようと決心したら、その旨を現在の担当医に伝え、改めてその病院を受診するようになります。最初から病院を移るつもりの場合は、セカンドオピニオンではなく、転院として担当医に申し出ることになります。
“言い出しにくいから内緒で”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何も情報がないまま他の病院に移ると、また一から検査をしなければいけません。時間もお金もかかりますし、もし過去にがんの治療をされたことがある場合、その情報がないというのは、患者さんの病気をよく理解するための大事な手がかりを失うことになります。

セカンドオピニオンを受けることは、決して担当医との信頼関係を壊すことではありません。治療を受けるのはあなた自身です。どこでどういう治療を受けるにしても、あなた自身がその治療を十分理解して、納得して治療を受けることが大切です。セカンドオピニオンを受けたいという意思があるとしたら、きちんと担当医に伝えましょう。
言い出しにくいから内緒でと思う方もいらっしゃいますが、まず言えることは、内緒にすることこそ信頼関係を損なうものです。また、内緒ということは、その患者さんの病気や現在の担当医に提示された治療の情報は、患者さん自身の言葉だけになります。客観的な情報がないままセカンドオピニオンを受けることになり、患者さんが間違った理解をしたまま、セカンドオピニオン先の医師に伝える可能性もあります。これは患者さん自身にとって、セカンドオピニオンを受ける利点を低下させることにもなります。
また、多くのセカンドオピニオンを実施している病院では、必要な資料として、担当医からの診療情報提供書(紹介状)や検査の資料が必要になります。診療情報提供書には、患者さんの病気の経過や診断、現在までの治療、現在の病気の状態などに関することが要約して書いてありますので、通常カルテは不要です。


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