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セカンドオピニオンに関する情報収集



助言


【セカンドオピニオンとは】
セカンドオピニオンとは、『診断や治療方針について、現在の自分の担当医以外の医師の意見を聞き参考にすること』をいいます。

セカンドオピニオンは、
◎ 担当医に診察や治療方針の説明を受けたが、どうしたらよいか悩んでいる
◎ いくつかの治療法を提示されたが、迷っている
◎ 他の治療法がないか知りたい
などの場合に、ご自身が納得して治療を選択し受けるために、他の医師の意見も聞いてみるという方法です。

【セカンドオピニオンのことで相談したいとき】
がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターを活用しましょう。
全国のがん診療連携拠点病院には、がん相談支援センターが設置されていて、その病院にかかっていない方でも相談できます。がん相談支援センターでは、患者さんやご家族のいろいろな不安や悩みを聴き、患者さんやご家族が問題を整理するお手伝いをしたり、必要な情報を提供したりしています。
相談員は、研修を受けた看護師や社会福祉士、心理職などです。相談方法は、面談、電話相談、電子メールなどありますが、病院によって相談方法が異なり、また予約が必要な場合もあります。がん相談支援センターの情報は、国立がん研究センターの「がん情報サービス」で確認することができます。
相談支援センターの名称は医療機関によって異なる場合があります。

インターネットなどでも、セカンドオピニオンの情報を入手可能ですが、相談員に相談することで、頭の中が再整理できたり、わかりにくい点を聞き直したりすることができます。

【セカンドオピニオンはどの診療科の医師に受ければよいのか】
患者さんが現在の担当医から受けた説明内容(診断や治療方針)、患者さんが知りたいことなどによって、どの診療科の医師がよいかは異なります。
たとえば、
◎手術は無理と言われたけれども、〇〇の手術を何件も行っている〇〇病院の該当外科のセカンドオピニオンを受け、手術の可能性に関する意見を聞きたい
◎何種類かの抗がん薬治療の説明を受けたが、どの治療も治療効果はあまり変わらないようだ。治療のスケジュールや副作用症状は違うらしい。自分にはどの治療がよいのだろう。
◎〇〇病院は、〇〇という臨床試験を行っているらしい。臨床試験の話を聞いてみたい。
◎外科の先生の話を聞いたが、がん薬物療法の専門医(もしくは放射線療法の専門医)の意見も聞いてみたい。
などです。

どの診療科という点に関しては、病院によって、診療科名称、その診療科で対象としている患者さん等は異なります。
たとえば、現在は、抗がん薬治療(がん薬物療法、化学療法などの言い方もあります。細胞障害性抗がん薬、ホルモン治療薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬を使って、がんの治療を行います)が増えていますが、まとめて『腫瘍内科』としている場合、がん薬物療法の専門医が、さらに臓器別の診療科にわかれ、消化器内科、呼吸器内科などとなっている場合、あるいは、消化器腫瘍内科、呼吸器腫瘍内科、血液腫瘍内科などの名称にしている場合もあります。
『○○のような点について特に話を聞きたい』、『○○の専門医の話を聞きたい』などがある場合は、セカンドオピニオンを受けたいと考える医療機関の問い合わせ窓口で、『このような場合はどこの診療科がよいか』など確認したり、がん相談支援センターで相談してみましょう。

【セカンドオピニオンを受けるとしたらどこの病院がよいか】
セカンドオピニオンの病院を決める一つの目安として、専門的ながん医療を提供している『がん診療連携拠点病院』があります。がん診療連携拠点病院は、国の指定を受けている、その地域でのがん医療の中心となっている病院です。

がん診療連携拠点病院は、どこにいても、誰でも安心してがんの治療が受けられるように(がん医療の均てん化)、がんの診断や治療をしていくための条件を満たしているかなど、よく検討され審査されて、国の指定を受けます。

国立がん研究センター『がん情報サービス』で、全国のがん診療連携病院と、その治療実績や相談窓口、専門医の治療を受けられるか、どのようながんを取り扱っているかなど具体的に概要をみることができます。また、がん診療連携拠点病院で実施しているセカンドオピニオンに関して、問い合わせ窓口や対応している病名なども確認できます。

【セカンドオピニオンの利点】
セカンドオピニオンを受ける効果としては、
◎現在の担当医から説明されている診断や治療方針を、他の医師からの説明で再確認でき、納得して治療を受けることができる
◎現在の担当医から提示されている治療以外の治療法の情報を得られる場合もある
ただ、多くの場合は、診断や治療方針は変わりません。
この場合でも、別々の医師から同じ説明や方針の説明を受けることで、気持ちの整理や納得がつき、前向きに治療に向けて準備を進められるきっかけになることもあります。

【セカンドオピニオンで検討する点やマイナス面】
(1)治療を開始するまでの時間
◎セカンドオピニオンを受けたい医療機関や医師は決まっているのか、決まっていない場合、どこの病院で受けるのかを決めるまでの期間
◎現在の担当医にセカンドオピニオンに必要な書類や資料(セカンドオピニオンを受ける病院で異なる場合があります)を依頼し受け取るまでの期間
◎受ける医療機関のセカンドオピニオン予約の空き状況、セカンドオピニオンが受けられるまでの期間
◎セカンドオピニオンは、診療ではなく相談(現在の担当医とは異なる医師から、治療に関する意見を聞いたり、提案を聞いたりします)ですセカンドオピニオンを受けた医療機関で治療を受ける場合は、いったん現在の担当医に結果を伝え(セカンドオピニオン医から現在の担当医への返書)、そのうえで、改めて転院する医療機関(セカンドオピニオンを受けた医療機関)に診療予約を入れ、初診となります。

(2)セカンドオピニオンの費用
セカンドオピニオンは、診療ではないので自費負担になります。多くの所は、30分としており、いくつかの医療機関のホームページをみると、1万円台のところもあれば、3-4万円のところもあります。また、30分を超えると追加料金が発生する場合もあるようです。

(3)セカンドオピニオンで必要となる書類
セカンドオピニオンというと、カルテが必要と思われる方がいらっしゃいますが、カルテはいりません。セカンドオピニオンを担当する医師は、膨大なカルテの情報を読むわけではありません。

セカンドオピニオンを担当する医師は、原則、その患者さんの診断の根拠となった検査資料や治療経過など、現在の患者さんの担当医がまとめた書類、病理結果の報告書、画像検査結果などを基に、病気や治療に関しての意見を患者さんに伝えたり、質問に答えたりします。つまり、診察や検査をするわけではありません。

準備する書類等は、担当医がまとめる診療情報提供書(検査結果やこれまでの経過、診断等)、病理結果の報告書、画像検査結果のフィルムやDVDなどの資料などです。セカンドオピニオンを受ける病院により、必要なものが異なる場合があるので、ホームページなどで確認、もしくはセカンドオピニオンの予約時に確認し、そろえましょう。

現在の担当医は、その患者さんの診療情報提供書(検査結果や診断、これまでの治療などの診療経過などをまとめた書類)を作成します。準備までに時間がかかる場合があるので、どのくらいで準備ができるか確認しましょう(セカンドオピニオンの多くは予約制になっています。ずいぶん先まで予約の空きがない場合もあるので、書類を受け取れる日がわかったら、可能であればその日以降で先に予約をとっておくと、書類を受け取ってから予約するより、待ち期間が少なくてすむでしょう。

(最終更新日:2020年6月9日)


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