悩み

身内の者は無理をすると体に悪いから、会社勤務はするなと言うが、どの程度まで働いてよいのか、無理をすると命を縮めるのか。



助言


【意識してゆとりをつくる】


病気や治療の結果として、生活する上で何か特に注意すべきことがあれば、担当医から事前に指示があるはずです。
それ以外の、特に制限されていないことについては、「無理をしない程度にしていい」と言われることが多いようです。
『無理をしない』というのは、たいへん曖昧な表現なのですが、これは体力や回復力が人によって異なるため、一律の基準を作ることが難しいからです。あなた自身の『無理をしない』というのが、どのくらいのことを指すのかは、あなた自身が体と相談しながら、自分で見つけていくしかないのです。
一つの目安としては、『八分目』を意識する、ということがあります。『八分目』というのは、“もうちょっとがんばれそうだけど”というところで、止めたり、休んだりする、ということです。
体にもこころにも、常に意識してゆとりを持たせておきましょう。そのうちに、同じことをしているのに、疲れにくくなった、とか、早くできるようになった、ということに気づくことがあるでしょう。
ゆとりを持ちながら自分のペースで生活を再構築していきましょう。


 

【職場の上司や同僚の理解を得る】


仕事は、単に経済的な理由からだけではなく、あなたの『自分らしさ』を支えてくれるという意味でも大切なものです。
ただ、最初から治療前と同じペースで仕事をする必要はありません。
『八分目』を意識しながら、時間をかけて、体を慣らし、こころに自信をつけていくことが大切です。
治療が一段落しても、体調がすぐに元通りになるわけではありません。また、病気の性質上、定期的に検査を受けたり、場合によっては入院したりして、仕事を休まなければならないこともあります。
あなたのペースで仕事をしていくためには、職場の上司や身近な同僚に対しては、自分の病気についてきちんと伝えて、負担の軽減など、協力してもらうようにしましょう。
“会社に迷惑をかけてしまう”と、あなたは悩まれるかもしれません。ですが、あなた以外の誰かが病気になり、仕事の負担が多少増えたとして、あなたはそれを迷惑に思うかどうか、考えてみてください。もしも同僚がそれで病気の治療に専念できるのであれば、あなたは喜んでそれを引き受けるのではないでしょうか。
あなたは一人ではありません。新しい自分のペースを、あせらずに見つけていきましょう。


 
Copyright © 2007-2024 Shizuoka Cancer Center. All rights reserved.