悩み

同じ病気で手術された方や治療をされている方とその時々の体の具合、日常生活等について話をしたり愚痴を言いたいと思った。



助言


【自分にあった方法で同病者とのコミュニケーションをとりましょう】


『同じ病気をした者同士だからこそわかる悩みや気持ち』もあると思います。また、直接、患者さんをみている担当医や看護師には言いにくいこともあると思います。

同じ病気の方や同じ治療をした方とコミュニケーションをとりたいとき、入院時に同室になり友人になったという方もいらっしゃいますし、担当医が同じでいつも外来の待合室で顔を合わせているうちに、少しずつお話をするようになったと言われる方もいらっしゃいます。同じ病院で治療をしていたり、同じ担当医だと顔を合わせる機会も多く、また共通の話題もありますから、話がしやすいかもしれません。
また、患者会などに参加してみるという方法もあります。患者会には、原発の部位別になっているもの、がん全般のものなどがあります。大きな患者会になると、都道府県ごとに支部などがある場合もありますが、全体的にみて、患者会の種類や活動も大都市などが多く、地方では探すのもなかなか大変ということもあります。
インターネットでは、患者会や患者支援団体がホームページを開設し、そのなかで『掲示板』などでやりとりしたり、『メーリングリスト』で情報交換している場合もあります。遠方の方でも参加できるようにインターネットを中心とした活動をしている団体もあります。
また、それぞれの患者さんが個人で開設しているホームページもあります。ご自分の闘病日記のようなものをのせている方も増えています。直接のやりとりではないのですが、同じような病気の患者さんの闘病記も、患者さんの体験や思いがつづられたものなので、読んでみてもよいかもしれません。

ただし、「情報」という点では注意が必要です。
情報には、客観的な情報以外に、経験した人自身がつくりだす主観的な情報(経験を通じて感じたこと、自分なりの対処、考え方など)があります。これら経験者から得る情報は、同じような経験に基づいた悩みを共有することができたり、生活上の細やかな工夫点を教えてもらったり、今後の経過をイメージするうえで、参考になり、また心強いものだと思います。
ただし、一人ひとりの治療や症状、効果は異なり、同じ病気の人の内容であっても必ずしも自分に当てはまるとは限りません。情報に関しては、下記の点を意識しながら検討しましょう。

◎ 経験者同士の情報の良い点、注意する点
○ 良い点
同じような経験をしているからこそわかる細やかな情報
情報交換し、治療体験を共有するなかで、同じ経験の相手と思いを分かち合う
○ 注意する点
同じ病気の人でも、人によって症状も治療の効果も異なる
古い医療情報や、間違ったり誤解を含んだ医療情報がある


 
参考になるホームページ
健康と病の語りディペックス・ジャパン
https://www.dipex-j.org/
ディペックス・ジャパンは、英国オックスフォード大学のDIPExをモデルにした日本版の健康と病いの「語り」のデータベースです。
がん経験者に関連した語りでは、乳がん経験者、前立腺がん経験者の語り、臨床試験・治験の語りなどが収録されています。映像や音声、テキストを通じて、がん経験者の声を知ることができます。

 
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