悩み

周りの人との接し方に悩む。



助言


【周囲の人の心ない一言が患者さんを傷つける】


がんとわかった後、困ることの1つに、周囲にどう話をしていくかがあります。
3人に1人ががんにかかる現在であっても、地域によっては、未だに「不治の病」などのマイナスイメージが社会的に根強く残っていますし、人間関係というのは、やはり密なものと希薄なものがあります。知人や近隣の人々、職場の人、親戚の方などの心ない一言が患者さんにとってはこころの傷になります。また、同情や気遣いが負担になることもあります。


 

【自分にとって大切な関係の人には伝える】


やはり、自分が信頼できる人、大切な関係の人には、ある程度お話しておいた方がよいと思います。ただ、家族と同じくらいすべてを話す必要はないと思います。
社会的に存在するがんのマイナスイメージは、患者さん自身のこころにも大きな負担になると思います。人の視線や言葉、ふるまいにとても敏感になってしまいます。特に不安が強い時期や診断後などの動揺が強い時期には、さらに敏感になります。自分でも気づかないうちに疑心暗鬼になり、周囲の人々が自分を特別な目で見ているように感じることもあります。


 

【最初は告げた方も告げられた方も緊張や不安・戸惑いがある】


患者さんにわかっていただきたいのは、患者さんが周囲の人に、ご自分の病気を話すとき、話を聞いた人も同様に緊張するし、どうふるまっていいかわからなくなるときがあるということです。
これまで、自然に会話しふるまっていたのに、それがうまくできないと感じることがあります。一時的にぎくしゃくすることもあるかもしれません。けれども、患者さん本人も周囲の人々も、しばらくすると(これは人によって時間は異なると思いますが)、病気になっても、その人自身は変わらないのだということに自然と気づき、受け入れられるようになってくると思います。


 

【周囲の人は患者さんの敏感で傷つきやすいこころを理解する】


周囲の人は、患者さんがこういう悩みをもっているということを理解することが、サポートの第一歩となります。
がんと診断された後や、治療の開始前、治療後の回復途中にある患者さんは、とてもこころが敏感になり傷つきやすくなります。励ましの言葉が、患者さんには負担になることがあります。話をきいてうまく言葉が出なければ「ごめんなさい。何をどう言っていいか今は分からない、でも私にできることがあればいつでも言ってほしい」と率直に思いを伝えましょう。


 
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