悩み

親の世話について悩んだ。



助言


【利用できる資源を検討する】


高齢のご両親の介護とご自分の治療のことを悩んでいらっしゃるのであれば、介護保険を利用し、地域のサービスを得ることができる場合があります。
介護保険を使ってサービスが受けられるのは、65歳以上で介護が必要と認定を受けた方、もしくは40歳以上64歳以下で特定の疾病のために介護が必要と認められた方です(がんも特定疾病の一つに含まれるので、介護が必要という認定を受けた場合は、介護保険を使ってサービスが受けられます)。
介護保険を活用すると、介護医療院(「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設)、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの施設で入所サービスを受けることができます。また、ご自宅でホームヘルパーによる食事、入浴、排泄等の身体介護、掃除、洗濯、調理などの生活援助、通院のための乗車や降車の介助などを受けたり、デイケアやデイサービス等を利用したり、福祉用具等のサービス(レンタルや購入など)を受けることができます。これらのサービスの自己負担は、年金収入等の所得金額により、1割から3割になります(年金収入等が、280万円未満の場合は1割。また、収入により自己負担が2割や3割負担の場合も、月額44,400円の負担の上限があります)。

介護保険を活用してサービスを利用するためには、市区町村に申請し、『介護(の予防)が必要』という認定を受ける必要があります。この認定のことを『要介護認定』といいます。

現在は家族に高齢、病気や障害のために介護や治療が必要な方がおられなくても、将来的な問題として抱える方は大勢いらっしゃるでしょう。
このようなとき、1人で全て抱え込もうとするのは大変なことだと思います。支援を得ることに抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、がんで治療を受けるというのは身体だけでなく、精神的にも社会的にも大変なことだと思います。ご自身そしてご家族のためにも、利用できる資源をいろいろ検討してみましょう。


 

【相談窓口を利用してみる】


病院では、『医療相談室』など相談専用の窓口を設置し、医療ソーシャルワーカー(以下ソーシャルワーカー)と呼ばれる専門職が常駐しているところがありますので、困ったことがあったら一度相談してみましょう(病院によっては、ソーシャルワーカーは医事課などの事務部門に所属している場合もあります)。
ソーシャルワーカーは、医療費の支払いやその他経済的なこと、介護保険や障害者手帳のこと、その他福祉制度のこと、療養中・退院後の生活などの相談にのってくれます。
相談窓口に相談してみると、少しでも負担感を軽くするための良い情報を得られるかもしれません。また、いつでも相談できる先を見つけておくことは、今後のサポートとしても心強いと思います。


 
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