悩み

年金生活なので高額な治療代に悩んでいる。そのうえ、がんの治療だけではなく、眼科や高血圧の治療、歯科などの医療費もかかり、大変である。



助言


【ソーシャルワーカーに相談してみましょう】


年金生活で、がん以外の病気の治療費もたくさんかかっている、という状況は、経済的にとてもつらいものだと思います。
経済的な悩みへの対処を考えるときには、あなたが置かれている状況を個別に検討していく必要があります。治療費で困っている方の手助けとなる制度はいろいろありますが、あなたの状況に適した制度を選んで活用するためには、専門的な知識が必要になります。
治療費に関する相談を含め、生活全般の相談に対応する専門職として、ソーシャルワーカーがいます。おかかりの病院にソーシャルワーカーがいるかどうか、まずは受付や相談室でたずねてみてください。
おかかりの病院にソーシャルワーカーがいない場合、お住まいの地域に近いがん診療連携拠点病院の相談支援センターにソーシャルワーカーがいるかもしれません。下記のホームページで調べてみてください。

お悩みの文面だけではお伝えできることは限られていますが、参考までに少し具体的な情報もお伝えしておきます。

お悩みの状況であれば、一般的にはまず高額療養費制度の活用を検討することになると思われます。
この制度は、保険診療の対象となる医療費について、1か月の自己負担を一定の金額におさえることができる制度です。制度の概要については、静岡がんセンターホームページの『冊子・電子書籍・動画』ページにある小冊子 学びの広場シリーズ 暮らし編「医療費のしくみ」(冊子PDF版)をご覧ください。

また、あらかじめ限度額適用認定証などの所得区分の『認定証』を保険者に交付申請しておき、医療機関の窓口で提示することで、入院診療・外来診療ともにあらかじめ支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。
70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方、住民税非課税世帯の方で、高額の支払いが見込まれる治療(入院・外来)を予定する場合には、事前に所得区分の『認定証』(70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方は限度額適用認定証、住民税非課税世帯の方は限度額適用・標準負担額減額認定証)を自分が加入している保険者(保険証に記載のある)に申請し、入手しておきましょう。
なお、70歳以上で所得区分が、一般、現役並み所得IIIの方が治療する場合は、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までになるため手続きは不要です。

医療機関の窓口で『認定証』を提示することで、会計窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。申請の際には保険証のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ自分が加入している保険者に電話等で確認するようにしてください。
『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして払い戻しを受けることができます。ただし、高額療養費を申請して支給されるまでには、少なくとも3ヶ月程度かかります。1ヶ月に1つの医療機関での支払いが高額になる可能性がある場合は、『認定証』をあらかじめ申請しておきましょう。

◎注意点
○保険者によっては、高額療養費制度に該当することの通知がない場合もある
○支払い直後に申請をしていなくても、2年前までさかのぼって申請することができる
○払い戻しには、治療を受けた月から、少なくとも3か月程度の期間がかかる
○加入している保険の種類や地域によっては、払い戻しまでの当座の支払いを支援する貸付制度や委任払い制度を利用することができる

その他、『世帯合算』(世帯で複数の方が同月に医療機関で受診した場合や、一人で複数の医療機関で受診する場合など、自己負担限度額を世帯で合算できる。その合計額が自己負担限度額を超えた場合、後日加入する保険者に申請することで高額療養費が支給される)、『高額医療・高額介護合算療養費制度』(世帯内の同一の医療保険加入者について、1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担を合計して、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度。同一世帯で医療と介護でかかった費用の負担が軽くなる)などがあります。
ただし、これらも注意点があり、複雑なところもあるので、まずかかっている病院のソーシャルワーカーにご相談ください。

高額療養費制度に関して、詳しくは、加入している保険証に記載してある保険者までお問い合わせください。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
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