悩み

2週間に1回の通院治療を続けている中で、薬代が高くて悩んだ。



助言


【医療費の負担を軽くするための制度や支援制度】


がんに関連した医療費は、抗がん剤や、治療の効果判定や再発・転移の有無を調べるための種々の検査のなかにも高額なものがあります。医療費がかかったとき、公的医療保険適用の医療費に関しては、医療費の負担を軽くするような制度や、支援する制度があります。
これらの制度の主なものに関して、記載しますので、ご参照ください。
日本の制度は原則申請主義であるため、利用できる制度についてよく理解して有効に使い、経済的な負担が少しでも軽くすむようにしましょう。
ただ、骨髄移植後の免疫抑制剤、継続して定期的に行われる抗がん剤などは、毎月毎月少なくとも一定額の負担が続くので、高額療養費制度などを利用しても、家計のなかで圧迫感を感じるものかもしれません。大切な治療やお薬、検査とわかっていてもつらいものです。
経済的なことで困ったら、病院の相談窓口やソーシャルワーカーにご相談ください。


 

【高額療養費制度とは】


医療費は年齢や収入に応じて1カ月に支払う自己負担限度額が定められています。
「高額療養費制度」は、医療機関等で支払った医療費が、月の初めから終わりまでの1か月で一定の額(自己負担限度額)を超えた場合に、保険者に申請することで(多くの健康保険組合や共済組合は、自動的に高額療養費が支給されます)、その超えた金額を支給する制度になります。

現在はマイナ保険証利用、もしくは健康保険の記号番号のオンライン認証システムを採用している医療機関の場合、資格確認書を利用されている方でも医療機関の窓口で高額療養費の自己負担限度額までの請求となります。
なお、入院費と通院費の双方が高額になるなど世帯合算をして高額療養費に該当する場合、一部の保険者を除き保険者への申請が必要になります。

医療費が高額になりそうな時には、『限度額適用認定証』等(後期高齢者医療保険の場合は資格確認書への限度額の併記)を保険者に申請することもできます。
『限度額適用認定証』等の手続きは、新しく保険加入をして、①オンライン認証システムに保険情報がまだ反映されていない場合、②資格確認書の記号番号でのオンライン認証システムを採用していない医療機関に受診する場合、または③資格確認書を利用する方でご自身の負担限度額を確認したい場合や証明する書類が欲しい場合に行うとよいでしょう。
なお、後期高齢者医療保険制度の場合、限度額適用認定証等は廃止されており、資格確認書へ限度額を併記する運用に変更されています。

注意)国民健康保険・後期高齢者医療保険制度の被保険者の方で、保険料の滞納がある方は自己負担上限額までの支払い対応や限度額適用認定証等の発行がされない場合があります。

『限度額提要認定証』等の申請の際には資格確認書のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめご自身が加入している保険者に確認するようにしてください。

対象となるのは、公的医療保険が適用される医療費です。これには、病院や診療所の会計窓口で支払う保険診療の自己負担分のほか、医療機関で処方せんをもらって調剤薬局で購入する薬の代金や医療保険を利用する訪問看護等の医療費も対象になります。
公的医療保険が適用されない費用(差額ベッド代、入院中の食事代、診断書等の書類作成費用、先進医療にかかる費用など)は、この制度の対象とはなりませんのでご注意ください。
注)先進医療の対象となる治療をした場合、先進医療にかかる費用以外の通常の治療と共通する部分(診察・検索・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。

(最終更新:2026年1月8日)




 

【高額療養費制度での払い戻し】


いったん、医療機関の会計窓口で支払い、後日保険者に申請して払い戻しを受ける場合、ご自身が加入している保険者に必要書類を添えて申請します。必要書類は保険者によって異なりますので、ご自身が加入している保険者までお問い合わせください。なお、多くの健康保険組合や共済組合の場合、手続きをせずとも自動的に高額療養費が返還される仕組みを採用しています。

◎注意点
○保険者によっては、高額療養費制度に該当することの通知がない場合もあります
○医療機関にかかった翌月以降に申請します
○支払い直後に申請していなくても、2年前までさかのぼって申請することができます
○払い戻しには、治療を受けた月から、少なくとも3か月程度の期間がかかります
○加入している保険の種類や地域によっては、払い戻しまでの当座の支払いを支援する貸付制度や受領委任払い制度を利用することができる場合もあります

◎申請に必要な書類等
○資格確認書
○印鑑
○所定の申請用紙
○領収書(保険者によって必要)
○国民健康保険の被保険者:『世帯主』のマイナンバーを証明する書類
 (個人番号カード、通知カード、個人番号が記載された住民票等)
注1)個人番号カード以外のものについては、他の身分証明書が必要
注2)世帯主以外が申請する場合は、申請者の身分証明書も必要

詳しくは、ご自身が加入している保険者までお問い合わせください。


 

【限度額の区分の確認もしくは『限度額適用認定証』等】


医療費が高額になりそうな時には、自己負担限度額の区分の確認(マイナ保険証の方はマイナポータルで確認)、もしくは限度額適用認定証等を申請し、入手しておきましょう。医療費が高額になりそうな時には、『限度額適用認定証』等を保険者に申請することもできます。『限度額適用認定証』等の交付を受けている場合、医療機関の窓口で限度額適用認定証等を提示することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます(ただし、差額ベッド代や入院中の食事代は別途必要です)。
『限度額適用認定証』等の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして払い戻しを受けることができます。ただし、高額療養費を申請して支給されるまでには、少なくとも3ヶ月程度かかります。1ヶ月に1つの医療機関での支払いが高額になる可能性がある場合には、『限度額適用認定証』等をあらかじめ申請しておきましょう。
なお、後期高齢者医療保険の場合は限度額適用認定証等が廃止されており、希望者に対し資格確認書への限度額の併記をする運用に代わっています。

申請の際には、資格確認書や印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ何を持参すればよいか、ご自身が加入している保険者に確認するようにしてください。


 

【自己負担限度額の計算方法】


以下で説明するのは患者さん個人の計算方法です。状況によっては世帯全体(公的医療保険の被保険者とその被扶養者のこと)で合算できる場合もあります。詳しくはご自身が加入している保険者(各市区町村窓口、全国健康保険協会都道府県支部、健康保険組合など)までお問い合わせください。
以下に年齢別に記載しましたので、該当の項をご覧ください。


 

【70歳未満の方】


その月の医療費の自己負担分について、医療機関ごとに、また医科通院、医科入院、歯科通院、歯科入院にわけて、それぞれ21,000円以上のものを合計します。また同一世帯(健康保険で被扶養者となっている方)のご家族の医療費の自己負担分も同様に合計が可能です。それらの医療費を合計したものが、ご自分の所得区分で、自己負担限度額以上であれば、超えた部分については高額療養費の対象になります(これを世帯合算と言います)。なお、世帯合算後の高額療養費については健康保険組合等の一部保険者を除き申請手続きが必要になります。


 

【70歳以上の方】


その月の医療費(病院・診療所・歯科・調剤薬局の区別なく)の自己負担分すべてを合計します。各医療機関の会計窓口での支払いは、自動的に自己負担限度額までになります。各医療機関の合計後の高額療養費については、健康保険組合等の一部保険者を除き申請手続きが必要になります。


 

【高額医療・高額介護合算制度】


世帯内で医療保険(健康保険)と介護保険の自己負担額を合計し、一定の上限額を超えた世帯は払い戻しを受けられます。
ただし、合算の対象は1年間(8月1日~翌年7月31日まで)になります。


 

【困ったことがあれば、相談窓口に相談してみましょう】


病院には『ソーシャルワーカー』(あるいは『ケースワーカー』)という専門職の人がいる場合があります(最近では、ソーシャルワーカーがいる病院が、ずいぶん増えてきました)。ソーシャルワーカーは、医療費の支払いや、介護保険に関すること、障害者手帳や福祉制度のこと、療養中・退院後の生活のことなどいろいろな相談にのってくれます。
また、全国のがん診療連携拠点病院等(厚生労働省が指定)に設置されている『がん相談支援センター』にも相談窓口があるので、利用してみてもよいでしょう。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://ganjoho.jp/public/index.html
[相談先・病院をさがす]では、成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)を病名や地域、病院の種類などから探すことができます。

 
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