悩み

家を購入し共働きで支払いをしていたので、働くことができなくなり、ローンや病院代について悩んだ。



助言


【問題を一つ一つ整理してみる】


がんにかかった後は、病気や治療によるさまざまなつらさがあり、またがんにかかったことで、自分を取り巻く環境が変化することもあります。いろいろな問題が重なると、どれから手をつけたらよいかわからなくなってしまい、問題を抱えたまま、負担感も大きなものになってしまいます。
問題を整理していくためにも、できれば一人で問題を抱え込まず、一緒に考えてもらえるご家族や親しい人、あるいは病院の相談窓口に話をしてみましょう。人に話すことは、問題を整理することにも役立ちますし、一人より二人のほうが良い解決策が見つかることもあります。また、こころの負担を少し楽にしてくれます。


 

【家のローンについて】


まず、借入先の金融機関に相談してみましょう。

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローンを組んでいる場合、月々の返済で困っているときに返済方法の変更などが行える場合もあります。
返済方法の変更には(平成24年3月時点)
◎ 返済期間の延長など
◎ 一定期間返済額を減らす
◎ ボーナス返済が負担になっているとき、ボーナス返済の金額の変更やボーナス返済の取り止めなど
などがあります。返済方法変更の手数料も低額(3,150円または5,250円)です。
手続きやそれぞれの適応条件に関しては、返済中の金融機関にご相談ください。


 
参考になるホームページ
住宅金融支援機構:返済方法の変更に関する情報など
https://www.jhf.go.jp/index.html
住宅金融支援機構の返済方法の変更に関する情報や相談窓口の情報があります。
『ご返済中の方』という項目の中に『返済方法の変更』という項目があり、返済方法変更のメニューや手続きなどの情報があります。また、トップページの最上層にある『よくある質問・お問い合わせ』のボタンから進んだページでは、よくある質問がQ&A形式で掲載されています。

 

【高額療養費制度とは】


高額療養費制度は、保険診療の対象となる医療費について、1か月の自己負担を一定の金額におさえることができる制度です。
対象となるのは、公的医療保険が適用される医療費です。これには、病院や診療所の会計窓口で支払う保険診療の自己負担分のほか、医療機関で処方せんをもらって調剤薬局で処方してもらう薬の代金も含まれます。公的医療保険が適用されない費用(差額ベッド代、食事代、診断書等の書類作成費用など)は、この制度の対象とはなりませんのでご注意ください。

また、あらかじめ所得区分の『認定証』を保険者に交付申請しておき、医療機関の窓口で提示することで、入院診療・外来診療ともにあらかじめ支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。申請の際には保険証のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ自分が加入している保険者に電話等で確認するようにしてください。
70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方、住民税非課税世帯の方で、高額の支払いが見込まれる治療(入院・外来)を予定する場合には、事前に所得区分の『認定証』を自分が加入している保険者(保険証に記載のある)に申請し、入手しておきましょう。
なお、70歳以上で所得区分が、一般、現役並み所得IIIの方が治療する場合は、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までになるため手続きは不要です。
注意)国民健康保険・後期高齢者医療保険制度の被保険者の方で、保険料の滞納がある方は認定証の発行がされない場合があります。

『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして払い戻しを受けることができます。ただし、高額療養費を申請して支給されるまでには、少なくとも3ヶ月程度かかります。1ヶ月に1つの医療機関での支払いが高額になる可能性がある場合は、『認定証』をあらかじめ申請しておきましょう。


 

【高額療養費制度での払い戻し】


いったん、医療機関の会計窓口で支払い、後日保険者に申請して払い戻しを受ける場合、保険証に記載のある保険者に、必要書類を添えて申請します。必要書類は保険者によって異なりますので、お問い合わせください。

◎注意点
○医療機関にかかった翌月以降に申請する
○保険者によっては、高額療養費制度に該当することの通知がない場合もある
○支払い直後に申請していなくても、2年前までさかのぼって申請することができる
○払い戻しには、治療を受けた月から、少なくとも3か月程度の期間がかかる
○加入している保険の種類や地域によっては、払い戻しまでの当座の支払いを支援する貸付制度や委任払い制度を利用することができる

◎申請に必要な書類
○保険証
○印鑑
○所定の申請用紙
○領収証(保険者によって必要)
○国民健康保険の被保険者:『世帯主』のマイナンバーを証明する書類
 (個人番号カード、通知カード、個人番号が記載された住民票等)
注1)個人番号カード以外のものについては、他の身分証明書が必要
注2)世帯主以外が申請する場合は、申請者の身分証明書も必要

詳しくは、加入している保険証に記載してある保険者までお問い合わせください。


 

【所得区分の『認定証』(限度額適用認定証など)】


70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方、住民税非課税世帯の方で、高額の支払いが見込まれる治療(入院・外来)を予定する場合には、事前に所得区分の『認定証』(70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方は限度額適用認定証、住民税非課税世帯の方は限度額適用・標準負担額減額認定証)を自分が加入している保険者(保険証に記載のある)に申請し、入手しておきましょう。

医療機関の窓口で『認定証』を提示することで、会計窓口での支払いが自己負担限度額までにとどめることができます。申請の際には保険証のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ自分が加入している保険者に電話等で確認するようにしてください。
『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして払い戻しを受けることができます。

なお、70歳以上で所得区分が、一般、現役並み所得IIIの方が治療する場合は、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までになるため手続きは不要です。


 

【自己負担限度額の計算方法】


以下で説明するのは患者さん個人の計算方法です。状況によっては世帯全体で合算できる場合もありますので、保険証に記載のある保険者(各市区町村窓口、全国健康保険協会都道府県支部、健康保険組合など)までお問い合わせください。
以下に年齢別に記載しましたので、該当の項をご覧ください。


 

【70歳未満の方】


その月の医療費の自己負担分について、医療機関ごとに、また外来と入院にわけて、それぞれ21,000円以上のものを合計します。合計したものが、ご自分の所得区分で、自己負担限度額以上であれば、超えた部分について払い戻しを受けることができます。
所得区分の『認定証』を申請・提示することで、あらかじめ支払いを自己負担限度額までにすることができます。


 

【70歳以上の方】


その月の医療費(病院・診療所・歯科・調剤薬局の区別なく)の自己負担分すべてを合計します。
医療機関の会計窓口での支払いは、自動的に自己負担限度額までになります。ただし、住民税非課税世帯の方は、限度額適用・標準負担額減額認定証をあらかじめ申請し入院時に提示する必要があります。


 

【高額医療・高額介護合算制度】


世帯内で医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、一定の上限額を超えた世帯は払い戻しを受けられます。
ただし、合算の対象は1年間(8月1日~翌年7月31日まで)になります。


 

【困ったことがあれば、相談窓口に相談してみましょう】


病院には『ソーシャルワーカー』(あるいは『ケースワーカー』)という専門職の人がいる場合があります(最近では、ソーシャルワーカーがいる病院が、ずいぶん増えてきました)。ソーシャルワーカーは、医療費の支払いや、介護保険に関すること、障害者手帳や福祉制度のこと、療養中・退院後の生活のことなどいろいろな相談にのってくれます。
また、全国のがん診療連携拠点病院(厚生労働省が指定)の『相談支援センター』にも、相談窓口があるので、利用してみてもよいでしょう。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
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