悩み

告知された時がん=死と思い悩み、生きていく望みを失い、自殺を考えた。



助言


【寄り添ってくれる人はいます】


告知は衝撃的なできごとだったことだと思います。
自殺を考えるほどつらい状況のなかで、なんとか踏みとどまり、今、こうしてインターネットに向きあわれているのは、あなたの強さだと思います。
がんにかかった方の中にも、無事に治療を終えて社会に復帰する方は大勢います。その数は医学の進歩とともに年々増えています。
ただ、がんが命を左右することもある重大な病気であるということは、やはり事実です。
病気を治療していく間に、気持ちが落ち込み、生きる望みを見失ったように感じることがあっても、それは自然なことです。
つらいときには、周りの人の助けを借りてよいのです。助けを借りられることは、あなたの弱さではなく、強さだと考えてみてください。あなたの方から助けを求めて声を出すことが大切です。
もしあなたのそばに声をかけられる人が見つからないなら、おかかりの病院の担当医や看護師、『医療相談室』や『相談支援センター』にいる相談員に話をしてみましょう。あなたのつらさに寄り添い、支えてくれるはずです。
また、こころの専門家である精神腫瘍科医、心療内科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士、リエゾンナースといったスタッフがおかかりの病院にいれば、きっとあなたの力になってくれるでしょう。


 

【大切な人を支えるために】


あなたは患者さんの家族や友人で、つらそうな姿を見かねて情報をお探しになっているのかもしれません。
大切なことは、相手の話にきちんと耳を傾ける、ということです。
患者さんが死について口にすると、思わず「そんなことを言ってはダメだ」と否定したり、「前向きに考えよう」、「がんばろう」と励ましたりしてしまうかもしれません。それは正論ではありますが、患者さんからすると“この人は自分の気持ちをわかってくれない”と感じてしまうのではないでしょうか。
同じように、「そんなことを悩んだってしょうがない」、「気分転換しなさい」といった言葉も、患者さんには“これ以上は聞きたくないんだな”というメッセージに聞こえることがあります。
ただ逆に、上辺だけで「わかるよ」という言葉を繰り返しても、かえって相手を不快にすることがあります。患者さんのこころの中には、“このつらさを、わかってほしい”という気持ちと、“こんなつらさを、わかってもらえるはずがない”という気持ちが、しばしば混じりあっているのです。
患者さんを一言で支えられるような魔法の言葉や解決策はありません。ただ、時間をかけて、つらい時を共有することで生まれる『信頼』は、きっと強い支えになるはずです。
ただ、患者さんのサポートのすべてをあなた一人で背負う必要はないのです。患者さんにとって大切なあなたが疲れ果てて、身動きがとれないようになれば、患者さんも困るはずです。
時々は支えの手を休めて、自分の時間を持つようにしましょう。また、患者さんを支えるあなた自身を支えてくれる人を見つけてください。


 
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