悩み

前向きに生きようと思うのだが、悪い方へ悪い方へと考えてしまう日が度々ある。



助言


【『ねばならない』でしばられない】


がんという病気のやっかいなところの一つは、将来の不透明さだと思います。
このWeb版がんの悩みのデータベースは、2003年度に全国で7,885人のがん体験者の方が参加された「がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査」がもとになっています。この調査で、がん体験者の方々が書かれた悩みを分類・整理した結果、悩みの半分くらいは、不安などの心の問題が占めています。不安のなかで一番多かったのは『再発・転移への不安』で、病気の段階や年数に関係なく、こういった不安を抱かれる方が多い実態が明らかになりました。また、がん体験者の方々が抱える悩みは、多様かつ複合化している実態を浮き彫りにしました。
あなたは、様々なつらさのなかでも、自分なりに一生懸命気持ちを切り替えたり、いろいろがんばってこられたのだと思います。一方で、常に『前向きに生きなければ』と自分に強いることは、とてもつらいと思います。ですから、少し『ねばならない』という荷物をはずしてみましょう。この先の不安から悪いほうへと考えてしまうことは、誰でもあることです。つらいときは、少し自分の気持ちを言葉にして誰かに聞いてもらって構わないのです。


 

【こころが少し楽になる方法】


つらい体験が続くと、気持ちは沈みがちになり悲観的な思いにとらわれやすくなります。これは、こころの悲鳴だと思います。気持ちが沈みがちになることも、悲観的な思いにとらわれやすくなることも、患者さん自身が悪いわけではありません。
ただ、こういう気持ちをもち続けていると、こころも重くなってしまいます。少しその重さを軽くするために、こころの専門家(精神腫瘍科医、心療内科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士、リエゾンナースなど)、病院の相談室、あるいはご家族にご自身のつらい気持ちを話してみてください。聞いてもらうというのは、こころが少し楽になる方法の一つです。


 
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