悩み

将来の計画が立てられないもどかしさを感じた。



助言


【目の前の課題にまず眼を向けましょう】


がんと診断されたばかりのときは、自分の未来が見えなくなったように感じたり、すべてが奪われるように感じることがあります。また、再発・転移が見つかったとき、がんが進行しているとわかったときにも同じように強い衝撃を受け、動揺します。
こころの衝撃が強いときには、様々な不安がよぎりますが、焦りがつのったり、気持ちが揺れたりした時には、なかなか考えも整理できません。

実は、将来の計画や希望というのは、普段あまり意識しないまま生活している人の方が多いと思います。また、将来の計画や希望を細かく設定している人であっても、ある意味、先のことは誰にも予想ができない部分があり、修正や変更は大なり小なり起こりうるものです。

大きな計画、長期間にわたる計画であっても、実際には、具体的で小さな目標をたて、一つひとつ実行していくことの積み重ねといえます。今、不確定な部分に関して焦ったり悩んだりしても、自分を追い込んでしまったり、精神的に落ち着かなくなってしまう原因になってしまいます。

そこで、まず目の前にある課題をみていきましょう。そして、具体的で小さな目標をたて、一つひとつ実行していきましょう。この小さな目標は、病気に関連したものでもかまいませんし、生活に関連したものでもかまいません。
たとえば、
○夜は7時間の睡眠をとる
○わからないことは、必ず先生に確かめる
○治療日記をつける
○感染予防のための生活習慣を身につける
治療が終了した後は、生活に関連した小さな目標を中心にたてていってもよいでしょう。


 

【こころがつらい状態が続く時には】


がんにかかった方の中にも、無事に治療を終えて、社会復帰を果たされる方はたくさんいらっしゃいます。そして、医学の進歩とともに、その数は年々増えています。
しかし、がんが命を左右することもある重大な病気であるということは、やはり事実です。病気の進行や今後の生活に対する不安を感じ、気持ちが動揺したり、落ちこんでしまったりするのは、こころの自然な反応です。
ただ、こころがつらい状態が長く続くと、日常生活のいろいろな場面にも支障が出てくる可能性があります。
気持ちが不安定になり、病気のこと以外何も考えられない、何事にも集中できない、誰とも話したくない、眠れない、食欲がない、といった状態が何週間も続くようであれば、一度、こころの専門家(精神腫瘍科医、心療内科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士、リエゾンナースなど)と話してみることも大切です。
こころの専門家をいきなり訪ねるのはちょっと敷居が高いと感じたり、どこに行けば会えるかわからなかったりする時には、まずは、担当医や、がん診療連携拠点病院の相談支援センター、おかかりの病院の相談室の相談員に相談してみるのもよいでしょう。
体が大変なときには担当医や看護師に支えてもらいます。同じように、こころがつらいときにも、専門家の手助けを少し借りることで、どうしていけばよいのか、自分なりの答えがみつけられることがあります。
自分の気持ちをほかの人に打ち明けて、助けを求めることができるのは、あなたの弱さではなく、強さであると考えてください。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
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