悩み

副作用がいつまで続くのか不安。



助言


【抗がん剤の副作用について】


抗がん剤の副作用といっても、薬の種類や組み合わせによって出現する副作用は異なり、また副作用の出方は個人差があります。同様に、「苦痛=つらさ」というのも、感じ方は痛みと同じで人それぞれです。また、吐き気や食欲不振などは精神的な影響もあります。

抗がん剤治療の副作用には、いろいろなものがあります。
自覚できるものとして、吐き気やおう吐、脱毛、便秘や下痢、食欲不振、しびれなどがあります。白血球、血小板の低下、貧血等の骨髄抑制は、自覚症状が乏しく、血液検査から把握します。臓器(肝臓や腎臓、肺、心臓など)などの影響についても検査を行って判断します。

多くの副作用は短期間で回復してきます。患者さん自身が特に苦痛に感じられるのは、脱毛、吐き気やおう吐、食欲不振、倦怠感などが多いようですが、時期がくれば落ち着いてきます(ただし、脱毛は治療開始後2~4週目頃から起こり、治療を何コースか繰り返すために回復が間に合わず、他の副作用に比べて長期に感じられますが、抗がん剤治療が全部終わってから3~6ヶ月すると髪の毛が生え始め、8ヶ月~1年程度で回復します。

抗がん剤は、分裂の盛んながん細胞の分裂を抑えて破壊するような働きをするため、同じように分裂の盛んな正常な細胞にも影響を及ぼします。ただし、繰り返しますが、時期がくればほとんどの副作用は回復します。


 

【自分が受けている治療について確認・理解する】


不安や気がかりを感じる要因は様々ですが、自分の治療について理解することは、つらさをやわらげる助けになります。治療を開始する前に、担当医から、現在の病気の状況、治療方法、治療の期待される効果、治療に伴って起こる副作用や危険性、副作用に対しての対応、治療のスケジュールなどの説明を受けたと思います。ただ、このときは、一度にたくさんの情報が入ってきますから、その場では理解したつもりでも、勘違いや誤解をしていたり、じゅうぶん理解できていない事柄もあるのかもしれません。もう一度説明を受けた内容を思い出しながら、以下のようなことを整理してみましょう。そして、不明な点があれば、担当医、あるいは治療の際にかかわっている看護師に確認してみましょう。

◎ 受けている治療はどういう薬をどのように組み合わせて行っていくのか
◎ 何コース、どういうスケジュールで治療を行うのか
◎ どういう副作用がいつ頃出てくる可能性があるのか
◎ それぞれの副作用はどのくらいの期間続くのか
◎ 副作用を予防するために、また副作用に対処するために自分自身でできることは何か

そして、治療に伴う自分の体の変化を理解するようにしてみましょう。これは、いつ頃どのような副作用が出て、日常生活にどのような影響がでているのかなどのことです。
たとえば、治療当日、1日目、2日目・・・と日にちごとに症状や気づいたことなどをメモしてみましょう。
特に1回目の治療時は、説明を受けていても実感としてわかりにくいので、治療日記のようにメモをしていき、その結果を2回目以降の治療時に生かしていくと良いでしょう。

そして、担当医や看護師などに伝える際は、治療の何がつらいのか、1つ1つ整理して伝えましょう。
医師も看護師もできるだけ治療に伴うつらさをやわらげるための対策を一緒に考えてくれるはずです。この場合、具体的に、「○日間○○がつらい」、「○△の状態が一日中続いている」など、整理して伝えることが大切です。


 
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