悩み

人工肛門の周辺がかぶれて、かゆみや出血などに悩んでいる。



助言


【病院で相談してみましょう】


人工肛門周辺の皮膚が赤くなったりただれたりする原因には、
◎ 皮膚保護材と皮膚のあいだに排泄物が入り込んで排泄物が皮膚についてしまう
◎ 装具の粘着剤によるかぶれ
◎ 装具をはがすときに乱暴に強くひっぱったりする
◎ 細菌感染
などがあります。

かぶれなどの皮膚のトラブルを予防する基本な事柄は、後述します。
現在かぶれて、かゆみや出血もみられるようでしたら、まず担当医か外来の看護師に相談してみましょう。病院によっては、人工肛門をつくった患者さんの専門外来として、ストーマ外来を設置しているところや、皮膚・排せつケア認定看護師の資格を持った看護師がいる病院もありますので、そういった資格を持つ看護師に相談してもよいでしょう。

相談する場合、どういう状況かなどを整理して伝えると、あなたの生活や状況にそった解決策を一緒に考えたり、解決していくための助けになります。実際に、人工肛門のケアを行っていくのは、自分自身です。自分の状況にあった対処方法を見つけていくためにも、状況をきちんと伝えていきましょう。

整理して伝える項目には、以下のような事柄があります。
◎ いつから、どのようにかぶれたのか
◎ どのあたりがかぶれたのか(人工肛門のすぐそば、皮膚保護剤をはっている部分、皮膚保護剤をはっている部分の外側あたり、その他)
◎ 便の性状や量
◎ 便もれの有無
◎ 自分が行っている交換方法、装具交換の間隔
◎ これまでの自分なりの対処として行ったことがあれば伝える


 
参考になるホームページ
(1)公益社団法人 日本オストミー協会
https://www.joa-net.org/
日本オストミー協会は、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)が安心して暮らせる社会をめざしてさまざまな活動をしている団体です。『ストーマとの生活』には、ストーマについて、種類別の特徴、ストーマ装具について、日常生活のポイント、主な福祉制度、オストメイトの災害対策、ストーマ用品について、ストーマケアの参考書などの情報があります。また、『全国のストーマ外来』、『オストメイト対応トイレ』などの情報提供の他、全国にある『支部一覧』で支部の連絡先を確認できます。『20/40フォーカスグループ』という若い世代のオストメイト同士の交流を図るグループの紹介もあります。
(2)オストメイトJP
https://www.ostomate.jp/
オストメイトJPでは、全国のオストメイト対応トイレを検索することができます。オストメイト対応トイレとは、オストメイトがトイレで、排泄物の処理、ストーマ装具の交換・装着、ストーマ周辺皮膚の清拭・洗浄、衣服・使用済み装具の洗濯・廃棄などができる設備があるトイレです。住所や施設名、駅・鉄道路線、高速道路・道の駅などで検索できます。また、スマートフォン用のアプリ(iPhone版、アンドロイド版)もあります。
(3)日本創傷・オストミー・失禁管理学会
https://jwocm.org/
日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページです。『一般の方へ』のページの『ストーマ外来検索』は、都道府県名等を入れてストーマ外来を検索することができます。また、『ストーマケアについて』では、ストーマケアのヒントの情報があります。

 

【皮膚のトラブル予防のための原則】


皮膚のトラブルを予防していくためには、
◎ 人工肛門周囲の皮膚を常に清潔に保つ
◎ 皮膚を優しくいたわる
◎ 自分にあった装具や皮膚保護材を見つける
ことが大切です。
交換時は、お湯と石けんで人工肛門周囲の皮膚をきれいにしていきます。皮膚に便がついていればきれいに拭き取ります。このとき、石けん成分が残ってしまわないように気をつけましょう。粘着剤でとれにくいものがあれば、強くこすらずに皮膚用の溶解剤や剥離剤を使いましょう。
また装具をはがすときは、皮膚を押さえながら、ゆっくりやさしく少しずつはがすように心がけましょう。


 
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