悩み

唾液が出ないため、喉が痛く、食事があまり食べられない。



助言


【唾液の減少によるのどの痛み】


治療により細胞分裂の活発な粘膜(口の中・舌・のど・食道など)の細胞を傷つけ、炎症を起こし、唾液の分泌量が減少してより粘膜が傷つきやすくなります。
食事の面では、唾液の量が少なくなると、飲み込みにくくなりますので、食べやすくなる工夫をしましょう。唾液の減少と炎症があるときは、水分が多くやわらかい、口当たりのよい食品がよいでしょう。

<工夫のポイント>
1. 飲み込みやすく、食べやすくなる工夫をする
2. こまめに水分補給をしたり、氷をなめたりする
3. 口の中をきれいに保つようにする


 

【飲み込みやすく、食べやすくなる工夫をする】


食べやすいようにやわらかく調理し、細かく刻んだり、ミキサーにかけたり工夫して、できるだけ口から食べるようにしましょう。
市販のスポーツ飲料や高カロリー飲料などを利用してもよいでしょう。

1. 食べやすくなる工夫
○ 水分が多くやわらかい、口当たりのよい食品をとりましょう。
○ 少量の油脂類を加えると飲み込みやすくなります。
○ あんかけやソースにからめるなど、水分にとろみをつけると食べやすくなります。
○ 誤嚥の心配がある時は、食品の形態や水分に注意が必要です。(増粘剤などを利用しましょう)
○ 食事は飲み物や汁物とセットで食べるとよいでしょう。
○ 食事は人肌程度がよいでしょう。
○ 痛みが強い場合は、食品の形態をゼリー状やピューレ状、流動食にしてみましょう。
○ 味付けがしみるような場合は、薄味にしましょう。

2. 控えたほうがよいもの
熱い・辛い・すっぱいなどの刺激の強い食品、かたく乾燥した食品
酸味の強いくだもの、甘みの強い飲み物

3. 栄養補助食品の利用
口やのどのあれがひどく、食事があまりできない時は、濃厚流動食(バランス栄養飲料)や栄養補助食品などを利用し、栄養状態を維持・向上する必要があります。
これらは、栄養やカロリー補給になるだけではなく、乳製品や大豆を主原料にしているものが多く、口内のあれた部分にしみにくく飲みやすいので効果的です。


 

【こまめに水分を補給したり、氷をなめたりする】


口の中が乾燥することによる様々な症状を防ぐためにも、水分はこまめに補給しましょう。氷や水など水分を補給しやすいように、準備しておくとよいでしょう。
口の中があれている時には、氷が四角いとあたって痛いので、丸い形に固める製氷器を利用するか、水道水などで角を溶かして丸くしてからなめるとよいでしょう。
また、炎症がひどい時には、水分でむせる場合もあります。こういう場合には、とろみ剤を使ったり、ゼリー状の水分補給食品などを利用したりしましょう。


 

【口の中をきれいに保つようにする】


口の中には、もともとたくさんの雑菌(細菌)が存在します。本来なら、唾液が自然と口の中をきれいにしてくれたり、歯磨きやうがいで口やのどをきれいにしたりしています。
しかし、治療により唾液が出にくくなったり、口の中やのどの粘膜がただれて痛み、歯磨きが十分にできなくなったりすると、口の中の雑菌が増え、感染を起こすことがあります。食事の前後にうがいや歯磨きをし、口の中をいつもきれいに保つよう、心がけましょう。


 
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