悩み

脇の下のリンパ郭清により、思うように腕が使えず、スポーツにも制限がある。



助言


【日常生活のなかでリハビリを続け、スポーツは楽しみながら】


わきの下のリンパ節切除を行うと、腕が上がりにくくなったり、腕が動きにくくなったりすることがあります。
以前は、乳がんの手術もできるだけ広範囲に切除するという方法がとられ、大胸筋・小胸筋、腋窩(わきの下)のリンパ節切除と切除する範囲が広い手術(ハルステッド手術)が行われていました。また、わきの下のリンパ節の郭清を行うと、肋間上腕神経が傷つけられることがあり、上腕(腕の肘から上側)の内側のしびれやわきから腕にかけてのつっぱった感じや痛みなどが起こることがあります。
ただ、最近では、QOL(生活の質)をできるだけ維持できるように、機能保存、縮小手術の方法などが開発されてきており、病気の状況などによっても異なりますが、以前に比べ、わきの下のリンパ節切除を行う件数は少なくなってきています。

どういう手術を受けられたのかによっても状況は異なりますが、リハビリを生活のなかに取り入れ根気強く続けてみましょう。続けてみる理由の一つは、動きにくいといって動かさずにいると、さらに動きにくくなってしまうことがあるからです。
リハビリ体操をする際には、まず準備として前後にストレッチ体操を行いましょう。リハビリ体操は、病院でならった体操などをそのまま続けてもかまいません。また、日常生活の中での、Tシャツなどのかぶりものを脱ぎ着する、背中のファスナーを上げ下ろしする、エプロンのひもを後ろで結ぶ、洗濯物を干す、掃除をするなど何気ないいろいろな動作がリハビリにつながります。ただし、無理はしないで少しずつすすめていくことが大切です。

以前行っていたスポーツが腕の不自由さで以前と同じようにできないと感じたら、できるところから再開してみてもよいでしょう。ウォーキングは、手軽に始められて自分で調整しながらすすめていくスポーツの一つです。またウォーキングをするなかで、景色を楽しんだり新鮮な空気を胸一杯吸うことは気持ちのリフレッシュにもつながります。できるスポーツから再開して、体調や腕の具合を見ながら無理のない範囲で行っていきましょう。


 
Copyright © 2007-2024 Shizuoka Cancer Center. All rights reserved.