悩み

人工肛門周辺のスキントラブル、痛み、かゆみに悩んでおり、今後が不安。



助言


【皮膚を清潔に保ち、困ったら専門家に相談しましょう】


人工肛門周辺の皮膚が赤くなったりただれたりする原因には、(1) 皮膚保護材と皮膚のあいだに排泄物が入り込んで排泄物が皮膚についてしまう、(2) 装具の粘着剤によるかぶれ、(3) 装具をはがすときに乱暴に強くひっぱったりする、(4) 細菌感染、などがあります。

スキントラブルを予防していくためには、
◎ 人工肛門周囲の皮膚を常に清潔に保つ
◎ 皮膚を優しくいたわる
◎ 自分にあった装具や皮膚保護材を見つける
ことが大切です。
交換時は、お湯と石けんで人工肛門周囲の皮膚をきれいにしていきます。皮膚に便がついていればきれいに拭き取ります。このとき、石けん成分が残ってしまわないように気をつけましょう。粘着剤でとれにくいものがあれば、強くこすらずに皮膚用の溶解剤や剥離剤を使いましょう。
また装具をはがすときは、皮膚を押さえながら、ゆっくりやさしく少しずつはがすように心がけましょう。

人工肛門の管理は、入院中うまくいかないときはすぐに看護師等に相談できますが、自宅に戻ってから何か問題が生じると、どのように対応したらよいのか、誰にいつ相談したらよいのか、困ってしまうことがあると思います。
自宅に戻ってから、便がもれたり、皮膚のトラブルが生じたり、いろいろ問題が生じた場合は、まず担当医か外来の看護師に相談してみましょう。
病院によっては、人工肛門をつくった患者さんの専門外来として、ストーマ外来を設置しているところや、皮膚・排せつケア認定看護師の資格を持った看護師がいる病院もありますので、そういった資格を持つ看護師に相談してもよいでしょう。あるいは、オストメイトと呼ばれる先輩患者に相談してみてもよいかもしれません。


 
参考になるホームページ
(1)公益社団法人 日本オストミー協会
https://www.joa-net.org/
日本オストミー協会は、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)が安心して暮らせる社会をめざしてさまざまな活動をしている団体です。『ストーマとの生活』には、ストーマについて、種類別の特徴、ストーマ装具について、日常生活のポイント、主な福祉制度、オストメイトの災害対策、ストーマ用品について、ストーマケアの参考書などの情報があります。また、『全国のストーマ外来』、『オストメイト対応トイレ』などの情報提供の他、全国にある『支部一覧』で支部の連絡先を確認できます。『20/40フォーカスグループ』という若い世代のオストメイト同士の交流を図るグループの紹介もあります。
(2)オストメイトJP
https://www.ostomate.jp/
オストメイトJPでは、全国のオストメイト対応トイレを検索することができます。オストメイト対応トイレとは、オストメイトがトイレで、排泄物の処理、ストーマ装具の交換・装着、ストーマ周辺皮膚の清拭・洗浄、衣服・使用済み装具の洗濯・廃棄などができる設備があるトイレです。住所や施設名、駅・鉄道路線、高速道路・道の駅などで検索できます。また、スマートフォン用のアプリ(iPhone版、アンドロイド版)もあります。
(3)日本創傷・オストミー・失禁管理学会
https://jwocm.org/
日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページです。『一般の方へ』のページの『ストーマ外来検索』は、都道府県名等を入れてストーマ外来を検索することができます。また、『ストーマケアについて』では、ストーマケアのヒントの情報があります。

 
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