悩み

抗がん剤治療の後、便秘とおう吐に悩まされた。



助言


【体調の変化をみながら対処し、自分のペースで生活リズムをつくる】


抗がん剤治療時は、使用する抗がん剤の種類、組み合わせなどによって、生じる副作用は異なります。また、吐き気や食欲不振、便秘などはそれぞれが影響し合って症状が出てきます。たとえば、吐き気が強いと食事が食べられなくなり、食事量や水分量が減り便秘の原因になったり、横になった状態が続くと腸の動きが悪くなって便秘になることがあります。
ただ、これらの副作用は時期がくれば落ち着いてきます。治療前、治療中、治療後の体調の変化を見きわめながら、症状に対してに対して自分ができることを整理し、自分のペースで生活のリズムを作り出していくことが大切です。


 

【吐き気について】


◎ 吐き気が強い時期は無理をせずに、『食べられるときに食べられるものを食べる』ようにしましょう。そして、吐き気や食欲不振がやわらいできた時期には、少し栄養のバランスや食事量のアップを意識して食事をしてみましょう。
◎ 吐き気には、抗がん剤を投与してから24時間以内に起こる急性おう吐、24時間以降に出現してくる遅発性おう吐、以前の記憶や経験によって生じる予測性おう吐の3つの種類があります。
自分の場合は、どういうパターンで吐き気やおう吐が出現するのか、どういうときに、吐き気が強くなるのか、食べやすい食事は何かなど、体調の変化を日を追って整理してみましょう。食事についても、食べやすかったもの、食べると吐き気を催したものなど、毎日の食事内容と吐き気との関連を同じメモに残しておきましょう。
たとえば、食事の時間になるとむかむかしてくる、ごはんのにおいでむかむかする、香水などのにおいで吐き気が出てくるなど、どういう状況で、吐き気が出たり強くなるのかを整理することで、そのきっかけをつくらないように工夫できることもあるでしょう。また、自分なりの食べやすい食事を整理すれば、時期にあわせて食事面での工夫ができるかもしれません。
◎ 吐き気・おう吐は、緊張や不安などの精神的な面が誘因となることがあります。精神的な緊張を取り除き、リラックスした気持ちでいられるようにしましょう。


 

【便秘について】


◎ 一般的には、食物繊維の多い食品をとる、水分補給を心がける、適度な運動を行い腸蠕動を促す、おなかをマッサージするなどが試みられています。
ただし、抗がん剤治療で吐き気や食欲不振が強いとき、まただるさが強いときなどは無理をせず、できることを行っていきましょう。
◎ 便意がなくても毎朝、朝食後(胃ー結腸反射が起こりやすい)にトイレに行き排便を試みてみましょう。食事が食べられないときでも、毎日決まった時間にトイレに行く習慣を身につけましょう。


 

【消化器症状で食事のメニューに悩んでいるとき】


吐き気や食欲不振、便秘や下痢があってどういうメニューにしたらよいか悩んでいるときには、参考になるホームページに掲載している『SURVIVORSHIP.JP』が役立つかもしれません。メニューやレシピを症状にあわせて絞り込んで閲覧することができます。


 
参考になるホームページ
SURVIVORSHIP.JP:抗がん剤・放射線治療と食事のくふう
https://survivorship.jp/meal/
静岡がんセンターと大鵬薬品工業(株)の共同研究の成果によるがんと向き合う患者さんやご家族のためのwebサイトです。『治療によって生じるつらさをやわらげる工夫』などの情報があります。また、iOS、Android向けの『がん治療と食事』のアプリの情報もあります。
『抗がん剤・放射線治療と食事のくふう』は、抗がん剤や放射線治療中の食事に役立つメニューやレシピを副作用症状に合わせて検索、閲覧することができます。176品のレシピが掲載され、ジャンル別絞り込みでは、主食(米、パンなどの種類別)、主菜(肉、魚などの種類別)、副菜、汁物、デザートと飲み物などで絞り込みもできます。

 
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