【抗がん剤による脱毛】
抗がん剤による脱毛は、目に見えてわかる、とてもつらい副作用です。「命にかかわることではないよ」と、周りにつらさが分かってもらえず、さらにこころが傷つけられてしまうこともあります。
脱毛の起こりやすさは、抗がん剤の種類によって違います。たくさん毛が抜ける薬、脱毛する可能性はあっても程度が軽い薬、脱毛を起こさない薬など、いろいろな薬があります。脱毛の程度の違いは、基本的には薬の働き方の違いによるもので、がんに対する効果の強弱とは関係がありません。
抗がん剤による脱毛は、治療が始まってから2~3週間目から起こります。通常、抗がん剤治療は何度か繰り返して行うので、この期間は脱毛が続くことになります。
脱毛することで、自分自身が変わってしまのではないか、と、不安に感じる患者さんもいます。
けれども抗がん剤の副作用は一時的なものなので、治療がすべて終了すれば、髪はまた生えてきます。また、ウィッグ(かつら)や帽子を使ったりすることで、イメージの変化をやわらげることができます。
患者さんの中には、「髪が抜けるのは悲しいけれど、ウィッグ(かつら)や帽子でおしゃれをすることにした」とお話しされる方もいらっしゃいます。新しい自分のイメージを探したり、ファッションを試したりするような気持ちで、肩の力を抜いて前向きに生活を工夫してみましょう。

【抗がん剤による脱毛の対策】
脱毛が起きやすい抗がん剤を使う場合でも、いろいろな対策があります。
1. 脱毛が起こる前にできること
医師から「抗がん剤の副作用として、脱毛が考えられます」という説明があったら、その時から、自分でできることを準備してみましょう。
たとえば、ウィッグ(かつら)の購入を考えているようであれば、事前に自分の頭の写真をとっておきましょう(正面、側面、後ろ側)。写真を撮っておけば、ウィッグ(かつら)を購入したり、購入したウィッグ(かつら)を整えたりする時に、今までの自分の髪型に近いものを選ぶことができます。
また、脱毛が始まる前に、髪を短く切っておいたほうがよいでしょう。髪を短くしておけば、脱毛の量も減って見えますし、髪型の印象の変化も小さくすることができます。逆に、髪が長いと、洗髪した時に抜けた髪の毛がからまってしまい、その部分を切らなくてはならないこともあります。
ヘアカラーやパーマは、刺激になります。抗がん剤の治療が終わって、また髪が生えてきた時に楽しみましょう。
2. 脱毛中のケア
脱毛が始まったら、できるだけ髪や地肌をいたわるようにしましょう。
脱毛中も頭皮を清潔にしておくことは大切です。最初に髪と地肌を十分ぬるま湯でぬらし、シャンプーはよく泡立ててから使用しましょう。シャンプーは痛みやしみなければ変える必要はありません。こすらずに、優しく洗いシャンプーが地肌に残らないように流すようにしましょう。
リンスやトリートメントは、毛先に少量つけるようにしましょう。。
ドライヤーも刺激になるので、使用はできるだけ控え、使用する時は低温・弱風または冷風にしましょう。
育毛剤は髪がなければ効果はありません。抗がん剤治療が終われば、髪は自然に生えてきます。
【髪の毛以外の脱毛の対策】
脱毛は髪の毛だけではなく、眉毛・まつ毛・鼻毛などの体毛にも起こります。
鼻毛がないと、鼻の中が乾燥し粘膜がいたみやすくなるため、外出時などはマスクなどを使用するとよいでしょう。
眉毛は、眉ずみなどで描くとよいでしょう。まつ毛がないと眼にごみが入りやすいため、注意しましょう。
【ウィッグ(かつら)や帽子による脱毛対策】
ウィッグ(かつら)や帽子は、抗がん剤治療による一時的な脱毛の対策として重宝します。気軽に使えるスカーフやバンダナも役に立ちます。
ウィッグ(かつら)を購入する時は、次のようなことを考えるのが大切です。
◎ 自分にあった素材を選ぶ
◎ 自分にあったスタイルを選ぶ
◎ 自分にあったカラーを選ぶ
◎ 価格を検討する
◎ 商品の機能特性を確認する
どこでウィッグ(かつら)を購入したらよいかわからない時には、通院している病院の看護師や相談室に相談してみましょう。それでも、もしわかる方が見つからなければ、お近くのがん診療連携拠点病院等に設置されているがん相談支援センターに相談してみましょう。
また、ウィッグ(かつら)のレンタルをしているところもありますが、手続きや申し込みから届くまでの期間なども考慮する必要があります。レンタルを検討している時は、事前にホームページで確認しておきましょう。医療用ウィッグ(かつら)のレンタルをインターネットで探す際は、検索サイトで、『医療用ウィッグ(かつら) レンタル』で検索すると出てきます。
帽子だけでも脱毛はカバーできます。深くかぶれるものやつばの広い帽子を選ぶとよいでしょう。髪がないことがわかりにくく、自然に見えます。
気軽に使えるスカーフやバンダナも便利です。いろいろな色や柄のものを、気分に合わせて使ってみてはいかがでしょう。
髪の毛が全部抜けてしまった時は、帽子やバンダナに「付け毛」をつけても良いでしょう。少しでも髪が出ているだけで、自然な感じに見えます。