悩み

副作用が長期間持続し、不安や焦りを感じている。



助言


【自分の受けている治療の副作用について知りましょう】


がんの治療法には、手術、放射線治療、抗がん剤治療などの薬物療法があります。それぞれ治療法が異なると、治療にかかる期間、治療によって起こるからだへの様々な影響も異なってきます。今回は抗がん剤治療に関する悩みですが、抗がん剤治療の副作用は、抗がん剤の種類によっても様々で、薬の組み合わせもいろいろあります。副作用の出方には個人差もあります。もし、同じ治療をしている他の患者さんと比較して不安や焦りを感じているのであれば、たとえ同じ治療を受けていても、副作用の出方は異なることを理解し、副作用に対して自分ができることを見つけていきましょう。

抗がん剤治療の副作用が出てくる時期は、大体決まっています。ただ、副作用のなかには、回復するものと回復しにくいものがあります。また、抗がん剤治療は、何コースか繰り返し行います。いったん回復した副作用が、次のコースが始まるとまた出てくるので、治療を続けていく中で長く続くような感じがすることもあると思います。
副作用の多くは、時期がくれば改善してきます。吐き気やおう吐、食欲不振、下痢や便秘などは回復してくる時期を実感できると思います。一方、手足のしびれなどの末梢神経障害は、抗がん剤治療が終了しても回復するまでに時間がかかりますし、脱毛も抗がん剤治療を行っている間は続きますから、回復まで時間がかかると感じるかもしれません。だるさは、治療そのものによる影響以外に、吐き気や食欲不振などの消化器症状で栄養が十分とれなかったり、様々な副作用で不眠がちになったりなど様々な事柄が影響しますし、こころの状態によってもだるさの感じ方が異なってきます。

副作用のなかには、予防が可能なものとそうでないものがあります。
また、自覚症状としてあらわれるもの以外に、心臓や腎臓、肝臓などからだの臓器に影響を及ぼすものもあります。医師はからだの臓器などへの影響も十分考慮しつつ治療をすすめていきます。また医師や看護師は、患者さんのつらさをできるだけやわらげるための対処を行ったり、やわらげる方法を患者さんにお伝えすると思います。副作用で心配なことがあれば、一度担当医や看護師に相談してみましょう。

不安や焦りを感じる要因の一部は、自分の治療について理解することで解決できます。
◎自分が受けている治療はどういう薬をどのように組み合わせて行っていくのか
◎何コース、どういうスケジュールで治療を行うのか
◎どういう副作用がいつ頃出てくる可能性があるのか
◎それぞれの副作用はどのくらいの期間続くのか
◎副作用を予防するために、また副作用に対処するために自分自身でできることは何か
◎治療に伴う自分のからだの変化を理解する(いつ頃どういう副作用が出て、日常生活にどういう影響が出ているのかなど)
たとえば、治療当日、1日め、2日めと日にち毎に、症状や気づいたことことなどをメモしてみましょう。特に1回目の治療時は、説明を受けていても実感としてわかりにくいので、治療日記のようにメモをしていき、その結果を2回目以降の治療時にいかしていくとよいでしょう。

副作用などからだの変化を医療者に伝えることも大切です。その際、漠然と「副作用がつらい」と伝えるのではなく、
いつ頃から、どういう症状があるのか、具体的に伝えましょう。


 
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