悩み

人工肛門(ストーマ)の取り扱いに苦労し、悩む。



助言


【問題をメモなどを利用し整理してから相談してみましょう】


人工肛門について手術前には説明で理解できていたとしても、術後、実際に人工肛門を自分の体の一部として受け入れるのはつらいものです。このように気持ちが揺れ動くなか、人工肛門の管理や装具の交換を覚えていく必要がありますが、うまくできないと焦りを生じることもあります。
人工肛門の管理に関しては、入院中に一通りの説明や指導があります。最初は、看護師が実施するのを見学しながら覚えていき、その後自分で練習していくことになると思います。

ストーマ装具を使用している場合、ストーマ装具の取り扱いでうまくいかなかったことを整理して検討してみましょう。どういうときに失敗したのか、失敗したのはどのようなことか、自分で問題を整理してみましょう。たとえば、貼るときによく見えずにうまく貼れない、皮膚のしわのあたりからもれやすい、外出時のトイレが狭くてうまく交換できない、皮膚がかぶれやすい等、いろいろあると思います。

人工肛門の管理は、入院中うまくいかないときはすぐに看護師等に相談できますが、自宅に戻ってから何か問題が生じると、どのように対応したらよいのか、誰にいつ相談したらよいのか、困ってしまうことがあると思います。自宅に戻ってから、便がもれたり、皮膚のトラブルが生じたり、いろいろ問題が生じた場合は、まず担当医か外来の看護師に相談してみましょう。
病院によっては、人工肛門をつくった患者さんの専門外来として、ストーマ外来を設置しているところや、皮膚・排せつケア認定看護師の資格を持った看護師がいる病院もありますので、そういった資格を持つ看護師に相談してもよいでしょう。あるいは、オストメイトと呼ばれる先輩患者に相談してみてもよいかもしれません。

人工肛門を管理する方法としては、人工肛門にストーマ装具をつけてその袋に便をためて管理する方法と、人工肛門からぬるま湯を入れて浣腸のようにして大腸を洗って便を出す方法(洗腸法)があります。どういった方法で管理するかどうかは、人それぞれですが、洗腸法の場合は、適応、不適応があるので、担当医によく相談して許可をもらい、また洗腸の方法については人工肛門管理の専門的な知識や技術を持っている看護師によく説明指導を受けることが大切です。


 
参考になるホームページ
(1)公益社団法人 日本オストミー協会
https://www.joa-net.org/
日本オストミー協会は、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)が安心して暮らせる社会をめざしてさまざまな活動をしている団体です。『ストーマとの生活』には、ストーマについて、種類別の特徴、ストーマ装具について、日常生活のポイント、主な福祉制度、オストメイトの災害対策、ストーマ用品について、ストーマケアの参考書などの情報があります。また、『全国のストーマ外来』、『オストメイト対応トイレ』などの情報提供の他、全国にある『支部一覧』で支部の連絡先を確認できます。『20/40フォーカスグループ』という若い世代のオストメイト同士の交流を図るグループの紹介もあります。
(2)オストメイトJP
https://www.ostomate.jp/
オストメイトJPでは、全国のオストメイト対応トイレを検索することができます。オストメイト対応トイレとは、オストメイトがトイレで、排泄物の処理、ストーマ装具の交換・装着、ストーマ周辺皮膚の清拭・洗浄、衣服・使用済み装具の洗濯・廃棄などができる設備があるトイレです。住所や施設名、駅・鉄道路線、高速道路・道の駅などで検索できます。また、スマートフォン用のアプリ(iPhone版、アンドロイド版)もあります。
(3)日本創傷・オストミー・失禁管理学会
https://jwocm.org/
日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページです。『一般の方へ』のページの『ストーマ外来検索』は、都道府県名等を入れてストーマ外来を検索することができます。また、『ストーマケアについて』では、ストーマケアのヒントの情報があります。

 
Copyright © 2007-2024 Shizuoka Cancer Center. All rights reserved.