悩み

医師は多くの患者と向き合い、大変だとは認識しているが、患者にとってはただ1人の先生だということを理解して欲しい。



助言


【治療のパートナー、人生のパートナー】


がんを治療する上で、医師は大切なパートナーになります。
担当医は、あなたを診察し、治療を行います。その過程であなたの病気の状況や治療法について、必要に応じて適切な情報を提供すること、あなたの質問にきちんと答えてくれることも、担当医の大切な役割です。
こういった情報提供に関して何か不満を感じた時には、その場で率直に質問してみることも大切です。
その一方で、あなたの個性や人生の目標を深く理解して、支え続けてくれるような医師にめぐりあうことは、確かに難しいかもしれません。
医師は、病気の治療のパートナーではありますが、あなたの人生のパートナーとなってくれるとは限らないのです。
もしあなたが担当医の知識や技術に満足しているのであれば、『病気を治すため』と割り切っておつきあいをしていくというのも、一つの方法です。
あなたの悩みや生きがいを支えてくれる人は、確かに必要です。しかし、それは必ずしも医師ではなくてもよいはずです。
たとえば、家族や親しい友人に、気持ちを打ち明けてみてはどうでしょうか。また、医師以外の病院のスタッフ(看護師、ソーシャルワーカー、臨床心理士など)も、相談にのってくれるはずです。


 

【気になることがあれば、気持ちを伝えていく】


あなたの悩みの背景には、担当医の発言で気になるところがあったり、気持ちのすれ違いを感じたりした体験があるのでしょうか?
医師との信頼関係を築くためには、時間とエネルギーが必要です。たった一つの出来事や言葉のすれ違いがあったために、それまで築いてきた担当医との信頼関係を崩してしまうのは、もったいないことです。
ただ、だからと言って、『何か気になることがあっても、不満は言わず、黙ってがまんしたほうがいい』ということではありません。
むしろ逆に、本当の信頼関係は、本音を伝えあうコミュニケーションの中から築きあげていくものです。
担当医の診療について何か不満な点があれば、溝が深まる前に、「そういう言い方をされると、傷つきます」、「ちょっと行き違いがあるようなので、説明させてください」と、自分の気持ちをはっきりと伝えていくことも大切です。
場合によってはすぐに対応を取るのは難しいかもしれませんが、医師からきちんと説明を受けることができれば、すれちがいを解消したり、歩みよりの余地を見つけたりすることができるはずです。
もし、担当医に直接伝えるのは気おくれする、ということであれば、その病院の『相談支援センター』や『医療相談室』で話をしてみることをお勧めします。
相談員は、あなたの意見にきちんと耳を傾け、必要があれば助言をくれたり、何らかの調整を働きかけてくれたりするはずです。


 
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