悩み

聴覚障害のため、医師、看護師とのコミュニケーションの問題があった。



助言


【お互いに話しかける】


聴覚障害の方が、どのようなコミュニケーションの手段をとるかは、障害の程度や、聴力が低下した時期などによって異なります。
補聴器は、伝音性難聴に有効ですが、聞きとりたい声だけでなく、周囲の音全てを大きくします。補聴器をつけると、会話がスムーズになる人もいますが、その人に合った正しい調整が必要で、個人差があります。手話も、聴覚障害者にとって有効な手段ですが、分かる人が少ないため、外来や病棟では、相手(医療者ら)の言うことは、筆記や口の動きで理解する場合が多いと思います。
コミュニケーションに問題があったということですが、コミュニケーションの手段に関わらず、お互いに話しかけるということが大切だと思います。最初は、どのようにコミュニケーションをとればよいのか戸惑っても、表情や身振りを交えながら、次第にリラックスして通じ合えるようになります。通じ合うのに少し時間がかかっているなら、どうすれば分かりやすいのか、例えば、一人ずつ順番に話すようにしてほしい、適度なスピードではっきり口を動かすことを意識して話してほしいなどを、伝えてみて下さい。


 

【良好なコミュニケーション、信頼関係を築くためにあなた自身ができること】


コミュニケーションの手段に関わらず、治療に関して理解するのは難しいと、多くの患者さんが感じています。ご自分の思いや考えを伝えるために、以下のことを参考にしてください。

1. 『不安や不信』につながっている原因を自分のなかで整理してみましょう
まず、あなたが今不安に感じていること、疑問に思っていることをノートなどに書き出します。最初は、長い文章で自由に書いてみて構いませんが、書き終わったら読み直し、最終的にかじょう書きにしてみます。

たとえば「○○の検査結果が知りたい」、「○○という症状がどうして起こっているのか知りたい」、「○○をどう対処したらよいか知りたい」などです。ただ「いろいろ聞きたいことがある」、「忙しそうで話しかけられない」というのではなく、具体的に整理することが大切です。

2. 外来の場合は、特に予習・復習をしてみましょう
短い外来時間を有効に使うためにも、予習・復習をしてみましょう。
予習は、次の外来で実施予定の検査、あるいは結果の出ている検査、今ある症状や困っていること、担当医や看護師に聞きたいことを書き出し、整理してみることです。これは、できるだけ1行以内の箇条書きにして、間に空欄を入れておきます。この空欄は診察時や復習のときに使います。
復習は、診察室での診療のなかで、大切なことを自分なりに書き出して、まとめてみることです。その場では、すぐ聞けなかった疑問などがあったら、次の外来時に確認できるように、予習のところに、箇条書きで加えておきましょう。

3. 疑問、不明なことをそのままにしておかない
疑問や不明なことをそのままにしておいてはいけません。そのままにしておくと、少しずつコミュニケーションのずれが積み重なり、不信感につながります
。医師は説明したつもり、患者さんはわかったつもりでは、信頼関係を築くのは難しいでしょう。


 
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