悩み

病院や医者によって治療の内容等が違うため、どこの病院で手術や治療を受けようか選択に悩んだ。



助言


【まず担当医とよく相談しましょう】


最近、医療の分野では、患者さんが自分の治療に参加する意識をもつことの大切さが言われるようになっています。病院や医師に関する情報を積極的に集めることも、医療への参加の一つの形であり、とてもよいことです。

ただ、もしあなたが自分の担当医とまだ十分に相談する時間をもてていないのであれば、まず、話し合いのための時間をきちんと作ってもらいましょう。
あなたの担当医は、あなたの体や病気の状態に関する情報を最も正確に、たくさんもっています。体や病気に関する十分な情報を担当医から得てからでないと、せっかくの積極的な情報収集も、誤解や不安を引き起こしてしまうことがあるのです。


 

【病院を探すときに】


どの病院のどの医師が自分の病気の治療に必要な知識・技術をもっているのか、一般の方(医療者以外の方)にはわかりにくいものです。立派な施設をもつ病院、人当たりのよい医師が、知識・技術も兼ね備えていればよいのですが、必ずしもそうとは限りません。また体や病気の状態は人によって違います。お知り合いからのクチコミで『あの病院はよかったよ』という噂を聞いたとしても、その病院があなた自身にとってもよい病院だという保証にはなりません。

このように考えていくと、やはり、一番頼りになるのは、おかかりの医師からの情報だと言えるでしょう。
あなたの担当医は、あなたの体や病気の状態を一番よく理解しています。また、地域の病院・医師の間で、治療内容に応じた役割分担が大まかにできていることもあるので、担当医に相談することは、貴重な時間の節約にもなります。
担当医は、あなたの体や病気の状態を慎重に判断し、現在かかっている病院でそのまま治療を受けることが適切である場合には、いくつかの治療方針を提案すると思います。また、もっと適切な治療を受けられる施設が地域にある場合には、そちらを紹介すると思います。
まず、あなたの担当医を信頼し、積極的に相談、質問してみてください。

また、現在、厚生労働省は、どこにいても、誰でも安心してがんの治療が受けられるように、『がん診療連携拠点病院』の指定を進めています。平成28年8月現在、全国427か所の病院が指定を受けています。
あなたの地域のがん診療連携拠点病院は、国立がん研究センターがん対策情報センターの『がん情報サービス』のホームページで調べることができます。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:病院・相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
がん情報サービスの[相談先・病院を探す]では、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院、希少がん情報公開専門病院等の一覧が掲載されていて、さまざまな条件で検索できます。病名やがんの種類、地域や病院の種類、診断や治療の実施状況、小児がん治療後のフォローアップ状況、小児がんの治療方法やセカンドオピニオンの対応状況などから探すことができます。また、成人や小児の相談先・病院一覧を見るでは、相談支援センターの名称や電話番号、病院情報などを閲覧できます。

 

【目安の一つは標準治療】


治療を受ける病院や医師を選ぶ際には、まず診断を受けたがんの標準治療はどういう治療なのかを知ることが大切です。『標準』という語感から、一部誤解もあるようですが、標準治療は、有効性と安全性が科学的に高いと証明された、現時点ではもっとも成績の良い治療といえます。あなたの場合に、具体的にどのような治療が標準治療にあたるのかは、がんの位置、大きさ、細胞の性質、広がり方などによって異なります。
病気や治療の情報を知るには、国立がん研究センターがん対策情報センターのがん情報サービスのホームページにある『各種がんの解説』のページが参考になるでしょう。

治療を受ける病院や医師を選ぶための一つの目安は、標準治療を受けられるかどうか、ということです。ただ、場合によっては、標準治療を踏まえた上で、担当医がさらに適切だと考える治療を提案することもあります。
担当医から治療方針を提示されたときには、その治療が標準治療にあたるのかどうか、標準治療とは異なるのであればその治療が自分に合っている理由はなぜなのか、確認してみましょう。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:それぞれのがんの解説
https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
がんの部位別に、基礎知識、検査、治療、療養に関する情報があります。
(2)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所のがん情報サービス)
https://cancerinfo.tri-kobe.org/
がん情報サイトには、『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。
『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者様向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。

 
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