悩み

診察時間も短く、がんについて十分な説明がなされず悩んだ。



助言


【診察時間をめぐる現実】


患者さんにとって、診察の場が、担当医とのコミュニケーションをはかるための大切な時間であることは言うまでもありません。
診察の場は、同時にまた、担当医にとっても、患者さんの意見を聞き、治療に必要な情報を得るための貴重な機会なのです。
それぞれの患者さんについて、診察に十分な時間が取れるよう、医療者はできる限りの努力をしています。医療機関の方でも、コンピュータや予約制の導入など、様々な工夫を重ねています。
ただ、大きな病院には患者さんが集中しがちで、1日に5,000人近い外来患者さんを診療している病院も中にはあります。医療者の数が限られている状況で、一人の患者さんの診察に当てることができる時間は、どうしても限られてしまいます。そうかと言って、ある患者さんの診察の時間を特別に長くすれば、その分だけ、別の患者さんの診察の時間が短くなってしまうことは避けられません。
病気の状況や、かかっている医療機関の方針によっては、担当医に特別に時間を取ってもらったり、外来診療の順番を比較的落ちついて話しやすい最後にまわしてもらったりすることができることもあります。
しかし、一般的には、すべての患者さんについて、診察の時間そのものを延ばすのはなかなか難しいというのが現実です。


 

【限られた診察時間を上手に使う工夫】


外来の診察時間そのものを延ばすことは、なかなか難しいというのが現実ですが、限られた診察時間を上手に使って担当医とコミュニケーションをとることは可能です。
まずできることは、担当医に伝えたい事柄をメモにまとめることです。伝えたいことはたくさんあっても、いざ担当医の前に座ると、うまく表現できなかったり、伝えるタイミングを逃したりすることがあります。
メモは、できるだけ簡潔に、かじょう書きの形式でまとめると良いでしょう。作ったメモは、診察の前や診察中に自分で確認するほか、担当医に直接渡すこともできます。メモを作ることは、自分の頭の中を整理するのにも役立ちます。
また、同じことを何度も聞き直さなくて済むように、メモを取る準備をしておきましょう。
説明を聞きながらメモをとるのは自信がないということであれば、担当医に申し出て、説明を録音しても良いでしょう。ただし、内緒で録音をするというのは、礼儀に反し、担当医との関係を損ねる原因にもなりかねません。録音する場合は、必ず医師に断ってからにしましょう。
また、診察を受ける時には、できるだけご家族や親しい方に同席してもらいましょう。一緒に話を聞いてくれる人がいるのは心強いですし、自分で気づかなかった点をその場で質問してもらったり、話の内容を後で確認し合ったりできます。

以上に加えて、わからない点や、疑問に感じた点については、担当医が説明するのを待つのではなく、自分の方から積極的に聞いてみる気持ちをもつことも大切です。患者さんの質問に答えることは、担当医の大切な仕事の一部です。遠慮しないで、不明な点や疑問点については、その都度きちんと確認するようにしましょう。


 
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