悩み

本当にがんなのかと思って、他の病院に再検査してもらった方が良いか悩んだ。



助言


【すぐに動かず気持ちと頭を整理してみましょう】


本当にがんなのかという思いには、2つの事柄が含まれています。1つめは『精神的な衝撃』、2つめは『理解・納得できていない』ということです。

がんと診断されることは、衝撃的な出来事です。
しかも、がんの場合は何の自覚症状もないことも多く、信じがたいという感情がおこっても、不思議ではありません。2003年に行われた悩みの調査のなかにも「健康にいつも気をつけていたのに、どうして。」、「呆然として何が何だかわからない。」、「この診断は間違いなのではないかと思った。」「信じられなかった。」などの言葉が、その衝撃の大きさをあらわしていると思います。頭では理解しようとしているのに、こころがついていかず、医師の言葉も、家に帰るとまったく覚えていなかったということもあります。
この場合、こころが激しく動揺している時期に、早急に物事を進めたりせずに、まず気持ちが少し落ち着いてくるのを待ちましょう。そして、翌日、あるいは数日おいて、ふっと、「なぜ○○なんだろう。」とか、「○○って何だろう。」とか、疑問が浮かんだり、ご家族の言葉がすうっと耳に入ってきたり、ご家族の優しさがあたたかいと感じたり・・・となったときに、ご家族や周囲の人と話をし、相談してみましょう。特に、説明時に同席されたご家族とよく情報交換することが大切です。お互いが持つ医師からの説明の情報をやりとりしてみると、誤解や聞き逃しなどが整理されてきます。また、いろいろなご家族とお話しすることで、これからのことについて、よいヒントをもらえるかもしれません。

『理解・納得できていない』ときには、他の病院でもう一度検査を、と行動する前に、まず現在の担当医師に面談を申し込んで、ご家族と一緒に再度説明を聞いてみましょう。わからない点や疑問に思う点を事前にメモなどに整理しておき、メモをみながら、あるいは医師にメモを見せて説明してもらうとよいでしょう。
また、がんの診断をつけるのにどういう検査が行われるかなどは、国立がん研究センターがん対策情報センターの『がん情報サービス』などで確認してみましょう。自分に行われた検査がどういう検査だったのかを知ることも今後に役立ちます。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:病名からさがす
https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
いろいろながんに関する基礎知識、検査、治療、療養に関する情報があります。
(2)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所のがん情報サービス)
https://cancerinfo.tri-kobe.org/
がん情報サイトには、『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。
『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者様向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。

 

【メリットとデメリット】


今後の行動について、メリット(利点)、デメリット(欠点)を考えながら慎重に決めていきましょう。
なかには、事実ががんであっても、こころがずっとその事実を受け入れがたくいくつもの病院を受診する方もいらっしゃいますが、同じ検査を繰り返すこと自体、からだへの影響や負担はゼロではありません。また、結果的にその期間、がんを放置してしまうことになってしまいます。
別の病院でもう一度検査を受ける場合、まず受診をして、医師が患者さんのお話を聞き(問診)、からだを診て、そのうえで、いろいろな検査を行っていきます。検査によっては予約が必要な検査もあり、検査がすぐ受けられるとは限りません。そもそも受診の予約をとるのにも、時間がかかる場合があります。
こういったこともよく考えてみましょう。


 
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