悩み

手術をしたくなかった。



助言


【手術に対しての抵抗感の原因を考える】


手術をためらう理由は何でしょうか。原因を考え、原因に沿って確認したり、説明を受けたりしていきましょう。

◎ 過去に自分自身、あるいは家族や知人が手術の際に何かつらい経験をしたり、トラブルがあった
確かに、他の治療方法と同様、手術にも危険性はありますし、合併症が起こることもあります。術後の痛みもあります。ただ、過去に何か手術に対し抵抗感を生むような出来事があったとしても、治療自体も進歩していますし、手術もできるだけQOL(生活の質)が維持できるように、機能保存、縮小手術の方法が開発されてきていますので、過去と現在では差があります。痛みに関しては、手術後の痛みを軽減していくための対応策がとられます。また、他の方の体験がそのままあなたに必ず起こるわけではありません。

◎ 心臓疾患、肺疾患、腰痛などの持病があり、手術時の影響や安静にしているときのつらさが心配
手術前には、がんに関する検査だけではなく、全身の状態もチェックされます。これは、手術を行っても問題ない全身状態であるか、また他疾患がある場合にはきちんとコントロールできているかなどです。注意が必要な点があれば、そのことを念頭に入れて手術中・手術後も注意深くチェックし、何かあれば早めに対応できるようにしていくはずです。腰痛に関しても、あらかじめ伝えておくことで、できるだけ腰痛をやわらげるための対応をしてくれるでしょう。

手術やその他の治療でも、何らかの不安や抵抗感は誰でも起こります。けれども、あなたの大切なからだにかかわることです。がんは診断を受けた時点では、症状が全くないか、ほとんどないということが多く、いきなり告げられた病名が信じがたく実感を伴いにくいこともあります。ただ、それは同時に早くにがんが発見できたことで、早期に治療を実施できる大切な機会でもあるのです。


 

【現在の自分の状況を理解する】


手術を受ける前は、どういうものかイメージがつかないため、いろいろと悪い方へ考えてしまいがちです。
ここで、自分の頭の中を再整理してみてください。あなたは、担当医から病気や手術についてどのような説明を受けましたか。一緒に説明を受けたご家族が近くにいらっしゃれば、担当医の説明内容をお互いに確かめ合ってみるとよいでしょう。また、説明の際に書いてもらったメモや資料があれば、それを見ながら確かめ合うのもよいでしょう。
手術とはどういうものなのか、合併症などの可能性はどうなのか、術後はどういう経過となるのか、など1つ1つ整理してみましょう。
そして、よくわからないことがあれば、外来時に担当医に確認してみましょう。その際は、できるだけご家族にも同席してもらいましょう。聞き逃すことも減りますし、本人、ご家族が病気や治療方針について、共通した認識を持つことは大切です。
たとえば、以下のようなことです。

1. 病期との関連で、なぜその治療(手術という治療方法、手術の術式等)がよいのか
2. 他の治療法が選択されない理由(抗がん剤治療、放射線治療、あるいは他の術式等)
3. 危険性(起こる可能性のある合併症、術後機能障害等)はどういうものがあるのか
4. 3に対し、どういう対処法があるのか

などです。治療についてよく理解することで、治療についての不安が軽くなることもあります。


 

【人に話すことで問題を整理する】


自分だけでは整理がつかないと感じているときには、人に話してみるという方法もあります。ご家族や親しい友人でもかまいません。担当医や看護師さんでもかまいませんが、治療方針決定前は、外来なのでなかなかそのチャンスがないかもしれません。そういう場合は、かかっている病院の相談窓口や、がん診療連携拠点病院に設置してある『相談支援センター』に相談してみてもよいでしょう。人に話していくなかで、自分のなかの問題が整理できて、解決策が見つかる場合もありますし、疑問点が明確になることもあります。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
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