悩み

抗がん剤治療の体験がトラウマとなり残っている。特に臭いに敏感になってしまった。



助言


【こころの専門家や相談員と相談してみる】


以前、抗がん剤治療を受けた時に、本当にたいへんな副作用を経験されたのではないかとお察しいたします。
ある治療を受けた時につらい思いをしてしまうと、その体験がこころに深く刻まれてしまうことがあります。また、頭の中では忘れたつもりになっていても、つらい体験を体が覚えている、ということもあります。
一度つらい体験をすると、日常生活の中のふとしたことがきっかけとなって、条件反射的にこころや体が反応し、動揺してしまうことがあります。
こころや体が覚えこんでしまったつらい体験への不安や恐怖を、すぐに、完全に取り去ることは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、人には、時間をかけてつらい体験を受け入れ、乗り越えていく力も備わっています。つらい体験で受けたこころの傷は、時のうつろいとともに、薄皮がはがれるようにして、自然に癒されていきます。
大切なことは、あなた自身も、周りの人も、気持ちや体の動揺を無理に抑えこもうとするのではなく、自然な反応として理解し、ある程度は受け止めていくことです。
ただ、気持ちや体の動揺があなたにとってとてもつらいもので、日常生活にも支障が出てしまうような状態であれば、一度、こころの専門家(精神科医、心療内科医、心理療法士など)と話してみてはいかがでしょうか。
こころの専門家をいきなり訪ねるのは敷居が高いと感じたり、どこに行けば会えるか分からなかったりする時には、まずは、担当医や、『相談支援センター』『医療相談室』の相談員に相談してみるのもよいでしょう。
体が大変なときには担当医や看護師に支えてもらいます。同じように、気持ちがつらいときにも、専門家の手助けを少し借りることで、どうしていけばよいのか、自分なりの答えがみつけられることがあります。
自分の不安や恐怖を人に打ち明けて、助けを求めることができるのは、あなたの弱さではなく、強さであると考えてください。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先・病院を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
がん情報サービスの[相談先・病院を探す]では、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院、希少がん情報公開専門病院等の一覧が掲載されていて、さまざまな条件で検索できます。病名やがんの種類、地域や病院の種類、診断や治療の実施状況、小児がん治療後のフォローアップ状況、小児がんの治療方法やセカンドオピニオンの対応状況などから探すことができます。また、成人や小児の相談先・病院一覧を見るでは、相談支援センターの名称や電話番号、病院情報などを閲覧できます。
(2)公益財団法人 日本対がん協会:がん患者・家族の支援
https://www.jcancer.jp/consultion_and_support
日本対がん協会のホームページです。『がん患者・家族の支援』のページには、看護師やソーシャルワーカーが対応している『がん相談ホットライン』、事前予約が必要な医師による面接相談、医師による電話相談、社会保険労務士によるがんと就労の電話相談などの相談に関する情報があります。詳細は、それぞれのページをご確認ください。

 
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