悩み

抗がん剤を使用する不安がある。



助言


【イメージだけで悩んでいませんか】


あなたが“抗がん剤治療をしたくない”と思われるのは、どうしてなのでしょうか。
もしかすると、あなたは抗がん剤治療について、『体に悪い治療』という、漠然としたイメージを持っているのかもしれません。
確かに、抗がん剤治療には副作用が伴います。しかし、現在は、副作用を予防したり、副作用が出た場合にもその程度をできるだけ軽くしたりするための、さまざまな工夫や対応が行われるようになっています。
また、抗がん剤治療の副作用の多くは一時的なものです。たとえば、吐き気や食欲不振などの症状は、抗がん剤が体の外に出ていけば、次第に回復していきます。脱毛も多くの患者さんが悩むことですが、抗がん剤治療が終了すれば、髪はやがて生えてきます。
抗がん剤治療の副作用は、薬の種類や使い方によって、また、患者さんの体質によって、出方や程度が異なります。
担当医の方から抗がん剤治療を提案したのであれば、何か理由があったのだと思われます。もしあらかじめ持っていたイメージだけで、抗がん剤治療について思い悩まれていたのであれば、担当医にもう一度、くわしい説明を聞いてみてはいかがでしょうか。


 

【担当医とよく話しあいましょう】


これからの治療について迷いがある時には、担当医と十分に話しあってみてください。
治療に関して患者さんの質問に答えることは、医師の大切な仕事のひとつです。遠慮しないで、不明な点や疑問点については、きちんと確認するようにしましょう。
担当医と話す際には、次のようなことを確認すると、気持ちの整理に役立つのではないかと思います。

◎ なぜその治療が提案されたのか、なぜその治療が必要なのか
担当医は、がんの性質や進み具合、全身の状態などを十分考慮したうえで、治療方法を提案します。担当医の説明をしっかり聞いて、提案の根拠や治療の必要性について、あなた自身が納得できるかどうか、よく考えてみてください。
◎ 治療の効果と目的
治療の効果はどのくらい期待できるのか、治療の目的はどういうことなのか、確認しておきましょう。
◎ 主な副作用
どういう副作用が、どの程度起こるのか。いつ頃起こり、どの位の期間続くのか。副作用に対して、どういう対応策があるのか。
◎ 治療のスケジュール
通院治療なのか、入院治療なのか。どのくらいの間隔で行うのか。どういうスケジュールなのか。
◎ 治療の費用
治療の費用はおよそどのくらいかかるのか。保険は適用されるのか。


 

【患者さん自身が決断することが大切】


患者さんに一番あった治療法を選べるのは、その方自身です。
どんな治療にもプラス面とマイナス面があります。
何を優先するか、どういったことについてはがまんできるか、という判断は、人それぞれに異なります。
本当に大切にしていきたいことは何か、時間が許す限り、焦らずに、よく考えてみることが大切です。


 

【周りと話すことで気持ちを整理する】


治療に関して、最終的な決断は、患者さん自身がすることになります。ただ、周りの誰かに話を聞いてもらうことが、気持ちの整理に役立つことも、よくあります。
もやもやとしていた思いを口に出して表現してみることで、自分自身の本当の気持ちに気づくことがあります。
相談する相手は、信頼でき、あなたの話を受け止めてくれる人であれば、家族や友人、職場の同僚など、身近な人でかまいません。
身近な人の協力を得ることが難しいときには、おかかりの医療機関(病院など)の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるとよいでしょう。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
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