悩み

これで治療は終了と思っていた時に「抗がん剤をやります」と言われた時、やらなければいけないのか、やらないとどうなるのかと思った。



助言


【がんの治療】


がんの治療法は、大きく分けて、局所療法と全身療法があります。手術は、がんの部分を取り除く治療で、局所療法になります。一方、薬物療法は主として、全身療法になります。薬物療法では、抗がん剤などを注射したり内服することで、全身に行き渡らせて治療します(一部局所的に使う場合もあります)。

抗がん剤治療の目的は、がんの状況によって異なります。

○がんを治すことをめざす
○がんの進行を抑えたり、がんを縮小させることをめざす
○体の他の場所に転移しているかもしれないがん細胞を殺す
○がんによって起こる症状をやわらげる

また、抗がん剤の種類は複数あり、治療の効果をより高めたり、体の負担や影響を少なくするために、組み合わせて使うこともあります。


 

【治療を選択する際考えること】


治療を受けるかどうか迷っているときには、まず治療を受けることでの利点(その人自身にとって、あるいは病気をコントロールする点で良いこと)・欠点(副作用、危険性、合併症の可能性、生活への影響のことなども含めて、その人自身にとって良くないこと)を考えてみましょう。
そのために、医師の説明を振り返りながら、以下の点をふまえて、頭の中を整理し、わからない点は医師に確認しましょう。

◎ なぜその治療が提示されたのか、なぜその治療が必要なのか
医師は、患者さんのがんの性質や進み具合、臓器の状態、その他患者さんのからだの全体の状況などを十分考慮したうえで、治療方法を説明すると思いますが、治療を決めるときに、現在の病気の状況、自分のからだの全体の状況を十分理解する必要があります。
◎ 治療の効果
治療の効果は、どのくらい期待できるのか。治療の目標はどこにあるのか。
◎ 主な副作用
どういう副作用が、どの程度起こるのか。いつ頃起こり、どの位の期間続くのか。副作用に対して、どういう対応策があるのか。
◎ 治療のスケジュール
通院治療なのか、入院治療なのか。どのくらいの間隔で行うのか。どういうスケジュールなのか。


 

【抗がん剤治療へのイメージ】


抗がん剤治療というと、髪が抜ける、吐くなどの副作用のつらいイメージ、体に負担がかかりそうなイメージが先行しがちかもしれません。けれども、現在では、できるだけ副作用を抑える工夫や対応が行われています。
また、同じ薬であっても、患者さんによって副作用の種類や程度は異なります。
副作用は、抗がん剤の影響で起こっているので、たとえば吐き気や食欲不振などの症状は、抗がん剤が体の外に出て、薬の影響がとれてくれば改善してきます。

抗がん剤治療で大切なことは

○抗がん剤治療中の自分の体調の変化を理解する
○診察時に症状の変化や気になる点を整理して、担当医や看護師に伝える
○何かつらいことがあったり、不安なことや困ったことがあれば、担当医や看護師などに相談する
○副作用を予防したり、副作用によるつらさを軽くするための工夫をする
○生活のリズムを調整する
○体がつらい時は、ご家族などにサポートをしてもらう

などです。

治療は患者さん一人で受けるものでも、医師が勝手に行うものでもありません。患者さんと担当医などの医療スタッフ、患者さんをいろいろサポートしてくれるご家族や友人など、患者さんと患者さんを取り巻く人々との協働作業です。


 
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