悩み

抗がん剤治療を続けるか、しばらく止めるか、選択に悩んでいる。



助言


【なぜそう思うのか考えてみましょう】


抗がん剤を続けるかやめるか悩んでいるというのは、何がきっかけでしょうか。治療の副作用に関して何らかの問題を抱えて、やめたいと考えていらっしゃるのかもしれません。がんの治療には、手術、薬物療法、放射線療法などがありますが、それぞれの治療により、痛みを伴ったり、発熱や吐き気、食欲不振が出たりなどの症状や副作用を伴うことがあります。
もしかしたら、副作用によるからだの症状があり、とてもつらいと感じているのかもしれません。

治療の説明を受けたとき、ご自分がどういうふうに考え、抗がん剤治療を受ける決心をしたのか、そのとき、その他の治療法の提示もあったのか、あったとしたら抗がん剤治療を選択した理由は何だったのか等、思い出してみましょう。そのうえで、担当医に、現在の自分の病状と、これまでの治療の効果、今後の治療のスケジュール(いつまで続ける必要があるのか)等を確認してみましょう。自分にとって、現在の治療はどういう意味があるのかをもう一度考え、整理してみることも大切です。医師に今後の治療の見通しを確認することで、具体的な目標設定ができ、気持ちの切り替えができるかもしれません。

また、“抗がん剤治療の副作用がつらい”という思いのなかには、『長い期間続く抗がん剤治療に、先が見えない不安やつらさがある』のかもしれません。最初は“がんばって治療を受けていこう”と思っていても、副作用などのからだのつらさを伴う治療を長い間受けていると、からだだけではなくこころも疲れてきて、うまくからだとこころのバランスがとれなくなることがあります。
こころのつらさをやわらげるためにも、時々たまってきたつらさを外に出してあげる必要があります。こころの中のつらい部分のガス抜きをすれば、きっとこころの負担が軽くなります。
こころの中のつらい部分のガス抜きは、つらいと感じていることを、言葉にして出してみることです。ご家族や何でも話せる友人、同病者、あるいは看護師、相談室の相談員などに、ご自分の気持ちを話してみましょう。人に聴いてもらうことで気持ちが少し楽になると思います。

吐き気や食欲不振、だるさなどからだのつらさで悩んでいる場合もあると思います。
治療の副作用に対しては、できるだけ患者さんの苦痛が少ないように対応していきます。つらいことがあれば、きちんと伝えることも大切です。治療は、患者さんと医療者の協働作業です。伝えることで、より適切な対応を行うことができます。
例えば、抗がん剤の副作用である吐き気を軽減するために、吐き気止めを使う場合があります。またご自身でも、治療前、治療中、治療後の体調の変化や副作用の変化を把握してみましょう。同じ治療を何コースか繰り返すときは特に注意深く、1コースから次のコースまでの体調の変化、副作用の出方、自分自身試みた副作用への対応(食べやすい食事、吐き気があるとき、1番楽な姿勢)等をメモすると、次回治療の際、体調に合わせた対応がしやすくなります。
からだのつらさ、そしてこころのつらさを軽くする方法は必ずあると思います。


 
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