悩み

たびたびカテーテルで抗がん剤を注入するのがつらい。



助言


【肝動脈塞栓術とは】


肝細胞がんの治療法のひとつである『肝動脈塞栓術』は、細い管(カテーテル)を使って、薬(抗がん剤をまぜた塞栓物質)を注入し、がんに栄養を運んでいる肝動脈を人工的にふさぎ、がん細胞を兵糧攻めにする治療法です。
肝臓の正常な部分は、肝動脈と門脈から栄養を受けているので、正常な肝細胞がやられてしまうことはありません。
局所麻酔をして、足の付け根にある大腿動脈から肝動脈まで管を送りこみます。薬を入れているとき、みぞおちに痛みを感じることがあり、できるだけ痛みがないように、事前に痛み止めを使ったりします。また治療後1週間ぐらいは、発熱、痛みなどがみられます。できるだけ患者さんの苦痛が少ないようサポートしていきますので、ありのままを伝えてください。

お悩みには、治療を繰り返し行う負担が書かれています。痛みなどの体への負担のほか、こころの面での負担、言い換えると、これから先の治療に関して不安な気持ちが増しているのかもしれません。
肝細胞がんでは特に、ひとりの患者さんが複数の治療を受けることが少なくありません。がんの広がり、肝機能の保持の両面を考えて、その時点で、それぞれの患者さんにとって適切な治療を行います。治療について気がかりな点があれば、担当医にご相談ください。


 

【治療によるさまざまな苦痛を和らげる対応がある】


治療は痛みを伴ったり、発熱や吐き気、食欲不振が出たりとさまざまな副作用がありますが、その時の体調や治療の範囲によっても、出方が異なると思います。また、副作用に関して、医師も看護師もできるだけ患者さんの苦痛が少ないようにサポートしていきます。つらいことがあれば、伝えてください。
治療は、患者さんと医療者との協働作業です。伝えることで、より適切な対応を行うことができるのです。


 
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