悩み

放射線をあてると言われ、どんな治療なのか分からず少し不安だった。



助言


【放射線治療で確認すること】


放射線治療は局所治療であり、放射線を照射すると、がん細胞は増殖できずに死滅していきます。
放射線治療の目標は、がんを死滅させる、痛み、出血、麻痺などの症状をおさえる、他の治療と組み合わせて治療効果を上げるなど、個々の患者さんによって様々です。
担当医に次のことを確認するとよいでしょう。
○期待される効果や副作用
○治療の予定
○日常生活や社会生活での注意点


 

【治療と副作用を理解し対処していきましょう】


放射線の治療を行っていると、放射線をあてている部位に炎症が起こり、粘膜が荒れたり皮膚の症状が出てくることがあります。これらの症状は治療の後半になるにつれ強くなります。治療が終われば徐々に改善してきますが、粘膜症状等は改善してくるまでに時間がかかることがあります。このように、放射線治療中から放射線治療終了後までに生じる副作用を『急性反応』といいます。
副作用症状は放射線をあてている部位によって異なります。どこの部位にあてるとどういう副作用が出てくるかはあらかじめ予測することができます。そこで、できるだけ症状が強くならないように対応していくことができます。また、副作用で痛みなどのつらさが起こったときにも、少しでも痛みがやわらぐようにコントロールしていきます。
治療と治療の副作用について理解し適切な対処をすることで、副作用についての不安やつらさはやわらげることができます。

重要なポイントは、以下の3点です。
1. 治療と副作用について理解する
◎ どういう目的で行う放射線治療なのか。
◎ どういう方法で(照射方法)、何回治療を行うのか。
◎ いつ頃どういう副作用症状が出てくる可能性があるのか、いつ頃おさまってくるのか。
◎ 副作用を予防したり軽くするための方策はどうすればよいのか。
2. 治療開始後は副作用の状態を把握し変化を医療者に伝える
副作用の状況を放射線治療の担当医や看護師にきちんと伝えましょう。早め早めに対応していくことが大切です。
3. 予防を含めた副作用への対処方法について実行していく
副作用を最小限にとどめるために、予防のための方法や毎日の生活のなかでの配慮や工夫が必要になります。予防につとめることは、治療を円滑にすすめていくためにも大切です。担当医や看護師のアドバイスを受けながら行っていきましょう。

なお、全身症状として、『放射線宿酔』と呼ばれている吐き気やおう吐、食欲不振、だるさや頭痛などが治療を開始した日から数日間出ることがありますが、頻度的にはわずかです。
また、放射線治療の副作用には、前述した「急性反応」とは別に、治療終了後半年~数年後に出てくる「晩期反応」と呼ばれる副作用があります。晩期反応は、血管系の変化による二次的な臓器障害です。急性反応は治療が終わればよくなってきますが、晩期反応はいったん出てくると治りにくいといわれています。「晩期反応」が出てしまうことは0ではありませんが、できるだけ晩期反応が起こらないように、細心の注意を払い治療計画がたてられています。ご自分の場合に起こる可能性がある晩期反応についてよく理解し、晩期反応と思われる症状が出たら担当医に伝えましょう。


 
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