悩み

薬について期間や内容を詳しく説明されなかった。放射線や抗がん剤治療を全くしなかったので、大丈夫なのか不安がずっとあった。定期検診でも触診のみでエコーやマンモグラフィーをやらないことがほとんどだったのでこれでよいのかと悩んだ。



助言


【適応基準に基づいて行われている】


乳がんは、集学的治療といって、手術のほか、抗がん剤、ホルモン療法、放射線療法のいくつかの治療を組み合わせて治療を行います。
これらの治療の適用や選択については、世界中の多くの試験結果に基づいて定期的に議論され、基準が設けられています。治療の選択に影響するものとして、リンパ節の転移の有無、腫瘍の大きさ、ホルモンの受容体、がん細胞の特徴などが挙げられています。
治療の選択の際には、上記のほか患者さん個々の体力や合併症なども関係するので、担当医は1人ひとりの患者さんについて総合的に判断して、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)後、治療が開始されます。
乳がん診療のガイドラインも発行されていますが、内容の解釈については難しい部分もあるので、あなたの体のことをもっともよく把握している担当医に、気になっていることを相談することが一番の解決法だと思います。


 

【定期的な経過観察】


治療が終わったら、外来で定期的な経過観察を行います。ガイドラインによると、定期検査に関しては、乳がん手術後の年1回のマンモグラフィは、対側乳がんの早期発見や局所再発の発見のために意義があるとされています。
一方、転移を早期に発見するためにCTなどの画像診断や腫瘍マーカーの検査を行うのは根拠が不十分とされています。


 
参考になるホームページ
(1)Minds(マインズ)ガイドラインライブラリ:診療ガイドライン
https://minds.jcqhc.or.jp/
公益財団法人 日本医療機能評価機構が運営する医療情報サービスで、さまざまな診療ガイドラインが掲載されています(がんだけではなく、さまざまな疾患のガイドラインが掲載されています)。医療提供者向けの診療ガイドラインと、一般の方向けのガイドラインの解説があります。
(2)国立がん研究センター『がん情報サービス』:それぞれのがんの解説
https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
国立がん研究センター『がん情報サービス』のがんの解説に関するページです。部位・臓器、50音順、日本に多いがんなどから探すことができます。がんの部位別に、基礎知識、検査や治療、療養、臨床試験などの情報があります。
(3)国立がん研究センター『がん情報サービス』:診断・治療
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/index.html
がん情報サービスの『診断・治療』は、各種検査や治療方法などのページの入り口になります。検査では、X線検査、CT.検査、MRI検査、PET検査、超音波(エコー)検査、腫瘍マーカー検査など、治療では、集学的治療、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法、造血幹細胞移植、免疫療法、がんゲノム医療とがん遺伝子検査、に関する情報などがあります。
(4)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所がん情報サービスの日本語版)
https://cancerinfo.tri-kobe.org/
がん情報サイトは、米国国立がん研究所のがん情報サービスPDQ等の日本語版です。『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。
『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者さん向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。

 
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