悩み

抗がん剤治療を受けるかどうか、副作用に対してどの程度まで体力がもつのか心配した。



助言


【抗がん剤治療へのイメージ】


抗がん剤治療というと、髪が抜ける、吐くなどの副作用のつらいイメージ、体に負担がかかりそうなイメージが先行しがちかもしれません。けれども、現在では、できるだけ副作用を抑える工夫や対応が行われています。
また、同じ薬であっても、患者さんによって副作用の種類や程度は異なります。
副作用は、抗がん剤の影響で起こっているので、たとえば吐き気や食欲不振などの症状は、抗がん剤が体の外に出て、薬の影響がとれてくれば改善してきます。

抗がん剤治療で大切なことは

○抗がん剤治療中の自分の体調の変化を理解する
○診察時に症状の変化や気になる点を整理して、担当医や看護師に伝える
○何かつらいことがあったり、不安なことや困ったことがあれば、担当医や看護師などに相談する
○副作用を予防したり、副作用によるつらさを軽くするための工夫をする
○生活のリズムを調整する
○体がつらい時は、ご家族などにサポートをしてもらう

などです。

治療は患者さん一人で受けるものでも、医師が勝手に行うものでもありません。患者さんと担当医などの医療スタッフ、患者さんをいろいろサポートしてくれるご家族や友人など、患者さんと患者さんを取り巻く人々との協働作業です。


 

【問題を整理する】


まず、現在迷っている点はどこか、ご自分の頭のなかを整理してみましょう。この悩みの場合は、悩んでいる点は、2つ考えられます。

1. 抗がん剤の副作用によるからだへのダメージが不安で、治療を受けるかどうか迷っている
2. 抗がん剤治療そのものへの漠然としたマイナスイメージがある

このどちらにしても、治療を決めていく際には、その治療を十分理解することが大切になります。そして、治療を受けるかどうか最終的に決めるのは、あなた自身です。


 

【がんの治療】


がんの治療法は、大きく分けて、局所療法と全身療法があります。手術は、がんの部分を取り除く治療で、局所療法になります。一方、薬物療法は主として、全身療法になります。薬物療法では、抗がん剤などを注射したり内服することで、全身に行き渡らせて治療します(一部局所的に使う場合もあります)。
がんが転移しているということは、がん細胞が血液の流れに沿って(血行性)、あるいはリンパ液の流れに沿って(リンパ行性)、がんがもともとできた部位(原発部位)から離れた場所にもみられるということです。
抗がん剤治療等の薬物療法では、全身に薬を行き渡らせて、目に見えない、検査でも見つかりにくい微小な転移の可能性を考慮して、治療をしていきます。

抗がん剤治療の目的は、がんの状況によって異なります。
◎補助療法
○がんを治すことをめざす
○体の他の場所に転移しているかもしれないがん細胞を殺す

◎再発転移の治療
○がんの進行を抑えたり、がんを縮小させることをめざす
○体の他の場所に転移しているかもしれないがん細胞を殺す

また、抗がん剤の種類は複数あり、治療の効果をより高めたり、体への負担や影響を少なくするために、組み合わせて使うこともあります。


 
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