【体験談やうわさ話】
同病者の方や同じ治療を受けた方の話は、時には患者さんにとって大切な気持ちの分かち合いとなり、こころのケアになります。また、同じような体験をしているからこそわかる細やかな情報が得られることもあります。
けれども、ときには、間違った情報や誤解・肥大化して事実と異なる話が耳に入ってくることがあります。
気をつけなければいけないことは、同じ病気でも、人によって治療の効果も副作用も異なるし、がんの顔(性質)も少しずつ異なるということです。また、古い医療情報もあれば、間違った医療情報もあります。うわさ話になると、さらに何人もの人を経て、伝言ゲームのように話が変化してしまいがちです。
人は人、自分は自分と気持ちを整理して、気にしないようにするか、聞きたくないときは、イヤホンをつけてテレビを見たり、ラジオや音楽を聞いて、会話自体に加わらないようにしてもよいでしょう。ただし、この場合は、「ちょっと疲れたので横になるから」というように相手に会話からはずれることを声をかけておきましょう。
【個人のプライバシーに関することがら】
悪気はなくても、話のきっかけのように、病名や治療、家族のことまでいろいろと聞いてくる人もいるようです。けれども、これらは個人のプライバシーに関することがらなので、自分が答えたくなければ答える必要はありません。「病気のことは、先生にまかせているので。」とはっきり断ってかまいません。