悩み

手術して短期間で退院を告げられ、痛みや傷の不安を残して退院した。



助言


【入院の期間】


近年は、在院日数の短縮化もあり、患者さんの心理的な回復が追いつかない、自宅の環境やご家族の協力体制が整わないなどの問題を解決する前に退院日を迎え、退院後に困ったり、心配事が生じたりする場合も見受けられます。
具体的な退院日時は、担当医の退院許可が出てから、相談して決定しますが、退院後の生活に困らないよう、あらかじめ身の回りのことや家事について検討しておく必要があります。生活の注意点に関して、担当医や看護師から話がありますので、ご家族と一緒に聞くとよいと思います。
また、ご自分の日常生活の一日をシミュレーションして、起こりうること、確認しておいた方が良い点をまず頭のなかで予習し整理しておくと、ご自分にあった注意点をきちんと確認できると思います。


 

【退院後の日常生活】


入院して治療をする必要がなくなれば、退院して、通院と自己管理で回復を促していきます。入院中は治療に専念した生活を送っているので、退院後すぐは、どのような療養生活を送ればよいか、とまどいがあるかもしれません。しかし、回復を促す要素は、自宅での日常生活のなかにあります。自宅環境で過ごすことによって、自分らしい生活を獲得できるのです。
リハビリを担当する理学療法士は、リハビリ室の運動よりも、日常生活のなかで行う活動のほうが、重要で意味があると言います。拭き掃除や掃除機をかけるなどの家事動作に、いろいろな腕の運動が含まれていることは、言うまでもありません。
自宅での生活状況や目標は、患者さん一人ひとり違っています。それぞれの状況にあわせて、体調の回復の程度をみながら、活動量の調整ができるのは、患者さん自身です。


 

【退院後の日常生活はゆとりをもって】


退院したからといって、すぐに入院前のようにからだが動くわけではありません。手術の影響で、動きにくかったり、皮膚がつっぱった感じがあったり、痛みがあったりして、からだを動かすことにためらいを感じてしまうこともあるでしょう。その一方で、多くの患者さんは、家事やお子さんの世話、あるいは仕事のことなどの気がかりを抱えています。
がんと診断され手術などの治療を受けた後は、心許なさや再発の不安、様々な症状などでこころも不安定になりやすい状態です。最初は家事等も休みながら行い、一人では難しい部分や、疲れているときは、遠慮せずにご家族や周囲の人にサポートを求めましょう。一見、手術前と同じように見えても、手術をしたことで変化した部分も多く、周囲の方々はその変化に気づきにくいものです。


 
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